俺の継子が煩ぇ件について【不死川実弥】

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なんとか今日も生きています。
……というのは嘘です、大嘘です。絶賛風邪引き小僧なうだ。



「馬鹿は風邪引かねぇはずだろ」

「おかしいですねぇ……ゲホッ…」

「大人しくしてろ」



布団の中で風邪に伏せっている私の頭をポンと優しく叩いた師範はそういうとどこかに行ってしまう。


病気になるのは好きじゃない。そもそも好きで病気になる人なんてこの世にはいないけれど。家族を失ってからは特に病気になんてかかりたくなかった。


病気になるといつもお母さんやお兄ちゃんを思い出してしまうから。こんな不甲斐ない姿、師範に見せるのも申し訳ない。あ〜、「こんな弱ぇやつが継子だなんてなァ」とか言われそう。挙句蹴られそう〜ひぇ〜。


目を閉じてみるけれど、熱が高くてなかなか寝られません。あとで胡蝶様が来てくれるらしいけど、それまで私の命が持つかどうか。


不意に額にひんやりとした何かが乗った。薄っすら目を開けると師範の後ろ姿が見え、襖の向こうに消えていく。冷たいタオルだ。ひんやり気持ちいい。



「…………師範……ありがとうございます……いつもこんくらい優しかったら……」

「うるせぇ！！」

「…………聞いたたんですか……可愛い人ですねぇ……」



チッと盛大な舌打ちが向こう側から聞こえた。
私が心配でたまらないんですね。優しい人ですね、フフフフ。あ、まじでダメだ寝よう。



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