俺の継子が煩ぇ件について【不死川実弥】

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師範って本当に難しい。

胸ぐら掴まれて数分。彼の鋭い眼光に睨まれ、私はまるで蛇に睨まれた蛙のようだ。



「師範、私が死んだら誰が師範の面倒見るんですか？師範は私なしじゃ生きられないでしょ？」

「なに抜かしてやがる。そんなに死にてぇのかァ？」

「な訳あるか」



誰に渡すつもりだったのか白状しろ、と今度は首をのまま掴まれたため観念する。「水柱様ですよ」というと彼は暴れ出した。また壁が壊れた。しかもそこ私の部屋……。



「こんなもん冨岡に渡したらてめぇ殺すからな」

「分かってます。師範は私が可愛くて仕方ないので殺せないこと」

「この口塞いでやろうか」

「すべにふひゃしゃってまふ」



師範、私が可愛くて仕方ないことは否定しないんですね。ムフフ。解放してくれた彼に、「ありがとうございます」と礼を言って立ち上がる。なんで私お礼言ってんの。普通謝るの師範じゃない？


布団をたたみ、片付ける。

あぁ、もう師範に投げられるのも数えること499回。もう随分慣れた。けど、寝込みを襲われるのは慣れないなぁ。あちこちが痛いです。



「…………ご飯でも食べて落ち着きましょう。血圧上がっちゃいますよ」



トボトボと部屋を出ようとした私に、師範は「飯ならできてる」と言った。い、今なにとおっしゃった？ご飯が、出来てる……？



「これは夢でしょうか」

「あ"ぁ？」



だって師範が朝ごはんを作っているだなんて奇跡に近いもの。自分の頬をつねろうとしたところ、師範に思いっきり引っ張られた。

夢じゃ無いようです。



「よく伸びる頬だな、ほらよ」

「い"っ、痛いです、頬っぺた取れる！！！」


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