俺の継子に呆れた件について【不死川実弥】

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朝、目を覚ませば、師範の膝を借りて寝ていた。泣いたせいか、目が腫れているのがわかる。体にかけてある師範の羽織をギュッと握って、起き上がり師範を起こす。


私に羽織なんてかけて自分は寒くなかったのだろうか。最近の私はおばさんが作ってくれた羽織を身につけているからそこまで寒さは感じないのだけど。


師範を揺さぶって起こし、移動を再開させる。

移動中あることを思い出し、風呂敷からあるものを取り出した。そして隣を歩く師範に、「どうぞ」と渡す。



「なんでコレ持ち歩いてんだァ……」

「……任務に向かう前に胡蝶様のお屋敷にお邪魔してて……、貰ったんです。ちなみに炭治郎くん作です」

「…………」



"これを食べて仲直りしてください"と言われて貰ったもの。炭治郎くんが作ったと聞いて顔から嫌さが感じ取れるけど、おはぎに罪はないので黙って食べ始めた。


隣でその様子を見て笑っていると、「てめぇも食え」と師範の食いかけを口の中に詰め込まれる。あぁ、やっぱり師範の隣が一番心地が良い。



「…………もし、この先てめぇの兄貴が出てきて、鬼だったら俺は容赦なく斬る。それは覚悟できているかァ？」

「…………わかりません。私の中ではまだ優しかったお兄ちゃんが生きていると期待で溢れているんです」

「……………」

「どんな現実があろうと私は鬼殺隊として受け入れなければならないと思います」



もしもお兄ちゃんが"鬼"だったらーーー。

今まで炭治郎くんの気持ちをなんとなくでしか感じていなかった私はそれがどれほど壮大なものなのか、痛く感じられた。



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