俺の継子に呆れた件について【不死川実弥】

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「あ、おかえりなさい師範！」

「お、おお……」

「また怪我して帰ってきやがったな！」



師範が帰ってきた。

結局どう調べるか迷っているまま今日になり、師範が帰ってきた私はまたいつもの日常に戻っていた。汚れている師範の隊服を洗う前に、この怪我だらけの体の手当てだ。


ギャーギャーとその怪我について怒りながら、救急箱を持ってくる。箱の中身を開けて愕然とした。包帯が切れているのだから。



「………くっ……」

「何を笑ってるんですか」



低い声でそう言う。

笑い事じゃない。私は真剣なんです。その傷、手当てし遅れて化膿とかしちゃったらどうするんですか。笑ってる場合じゃねぇんだよまじで。


仕方ない。懐に手を突っ込んでハンカチを取り出す。それを歯で噛んで引きちぎると包帯がわりにした。



「師範、鬼を倒すための手段かもしれませんけど、あんまり怪我して帰ってこないでくださいね」

「俺の勝手だろ」

「そうだとしても、師範の帰りを待つ人がいるってこと忘れないでください」



仮に自分を傷つけすぎて、命を落としてしまったら、私は帰らぬ師範を一生ひとりで待たないといけなくなってしまうんですよ。そんなの苦しいじゃないですか。


傷口を消毒して、ハンカチを巻く。よし、とその上を撫でれば「出来上がりです」と笑う。師範は珍しく礼を言うとどこか思い詰めた顔で自室へと行ってしまった。



「……………何かあったのかな」



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