俺の継子に呆れた件について【不死川実弥】

275 ページ33

*



「胡蝶様との初めての任務すごくいい経験になりました！！」

「ふふふ、私もいい経験出来ました。流石は不死川さんの継子ですね。お強かったですよ」

「ウヘヘ、照れるなぁ」



胡蝶様との初めての任務が終わり、話しながら帰る。途中で甘味屋さんに寄り、休憩をしつつ師範の話や蝶屋敷の子供たちの話で盛り上がる。


最近カナヲちゃんに気になる子がいるとかどこか嬉しそうな胡蝶様の様子に、私は微笑んだ。いつもどこか苦しそうな笑顔を浮かべているけれど、今はとてもいい笑顔だ。



「Aさんはどうなんですか、不死川さんと」

「どうって、いつも通りですよ」

「そうは言ってもAさんも年頃ですし、恋愛とかそういうの興味ないんですか？」

「え〜、考えたことないですよ〜」



お見合いさせられた時は考えたことあったけど、これと言ってなにもないし、善逸くんみたいに恋愛体質でもない。かと言って、恋愛して鬼狩りに支障を来すのも嫌だし。



「不死川さんなんて考えたりしないんですか〜？」

「え、師範を？なにを考えるんですか？」

「恋愛する相手ですよ」



目を点にし、口をあんぐりと開け終始固まっている私に、胡蝶様が目の前で何度も手を振ってくる。そして数秒後、私は大きな口で爆笑した。



「ないない！師範ですよ！師範は私の命の恩人だし、何より師匠でもあるんですから！大好きですけど、恋なんて出来ませんよ！」



恋なんてして、それが壊れたとき、私また一人になっちゃうじゃないですか。



.
最終章突入です。
ちなみにオチは2パターンで考えております！

276→←274

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す