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「それじゃあまた!」
「そうね、また生きてたら会いましょうね」
夜。
屋敷の近くまでの途中、お互い屋敷の方向が違うため甘露寺さんと別れる。今日はもう夜も遅いし、師範がいる蝶屋敷に寄っては帰れない。
帰り道を歩きながら、今晩は一人で屋敷かぁ……なんて呟いて足を止めた。……寂しい、そう思ってしまったからだ。あぁ、やだなぁ。そう思った瞬間に、蝶屋敷に行こうかなとまた足を進めた。
だけど今はもう22時を過ぎている。さすがにこの時間に行ったら胡蝶様に怒られそうだ。22時はもう就寝時間だし。
やはりここは一人屋敷に帰るしかない。
「あ〜!!!寂し〜!!!!」と一人でぼやきながら、頭をわしゃわしゃとかき乱す。いや、私どうした。時折ふとした瞬間に寂しさがこみ上げてくる。なんでだろうね。
「こんな夜中に女の子一人は危ないぜ」
「え?」
急に声をかけられ、振り返る。
全然、気配に気づかなかった。派手な扇子に、血を被ったような頭。顔の前にある扇子から目を見せる鬼が、私を見て目を細めた。
目には刻印があるーーー上弦の弐。
なんでこんなところに?
「やあ君、稀血の女の子?鬼殺隊でしょその隊服と刀!」
「えぇ……そうですけど……なんの御用ですか?」
「あぁ、実は道に迷ってしまってね!」
「………は?」
なに鬼も迷子になることあんの?
てか、稀血と聞いて襲ってこない?上弦の弐でしょアンタ。驚きに停止する。いやいや、ここで上弦に会うなんて、私運がいい?悪い?………絶対に後者だ。
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ぶどう - カッコ仮ってシュタゲかw w (2021年2月4日 21時) (レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
りんごたん - むいくん…( ;∀;)むいくんが悲しすぎる… (2020年3月1日 17時) (レス) id: b6aa212c61 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 伊黒さんのもつくって欲しいです (2020年1月26日 0時) (レス) id: 930d314957 (このIDを非表示/違反報告)
いちゅき - オチはやっぱり実弥がいいですねぇ (2020年1月25日 12時) (レス) id: e629abc83d (このIDを非表示/違反報告)
奈胡 - 毎日楽しく見させていただいてます。ありがとうございます!希望としては恋のパターン希望です〜(*'-'*) (2020年1月25日 3時) (レス) id: 6815733e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年1月11日 20時