俺の継子に呆れた件について【不死川実弥】

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リクエスト【風花誕生日】【かんざし】



ーーー誕生日なんて好きじゃない。

昔の私は誕生日の一週間前になると、その日が来るのを毎日のように楽しみに待っていた。お兄ちゃんやお母さん、家族みんなにまた一つお姉さんになるんだよ！と話して回ってはお母さんに美味しいご飯を作ってねって約束したり、お兄ちゃんに欲しいものをねだったりしていた。



あの日だってそう。

自分の誕生日が来る一日前。お兄ちゃんにこう呟いた。「家族全員が毎日幸せに生きてくれてる、それが一番のプレゼントだよね」って。その願いは叶わず、家族全員を目の前で失った。



誕生日が来る一日前の日付を超える一分前に全てを失った私は、あの日以来自分の誕生日が嫌いにしかなれなかった。



だから、炭治郎くんや善逸くんは私の誕生日がいつなのか知らない。そして私の恩人である師範ですら知らない。いつも誕生日はいつなのか、そう聞かれても誤魔化して教えることはなかった。



人に誕生日を教えないで、師範の誕生日を盛大に祝ってるっていうのもおかしな話だけど。自分の誕生日を祝ってもらおうなんて思ってなかった。



祝って貰えば思い出すのは家族と過ごすはずだったあの日のこと。そんなのごめんだ。忘れたくてもやっぱり忘れられない。私の中にずっと残っている。



「おい、A」



ーーーだから、お願いです。
あの日のことを忘れられるぐらいたくさんの幸せと愛情を私にください。



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