好きな子に呪いをかけた件について【狗巻棘】

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二日、高専にいたAは
その翌日に帰るために
準備をしていた。



Aが住んでいるアパート内の
呪霊は全てを祓い終え、
呪霊が集まらないよう
最善を尽くされた。




「へぇ、伏黒くんすごいね」

「そうですか？」

「うん、玉犬かぁ。
可愛い、本物のわんちゃんみたい」




玉犬を撫で回しているA。


関心しながら恵を見つめていた。
それをAの後ろからじっと
凝視していればめんどくさそうに
俺を見つめ返す。




「野薔薇ちゃんのこれは
ホラー映画で見たことあるからわかるよ」



物珍しそうに、
釘崎の藁人形を手にして見ている。




「高菜、いくら」

「あ、棘」



彼女を家まで送っていく準備が
できたことを教えれば立ち上がった。


皆が見送る中、
恵が「先日は変なこと聞いてすみません」
と頭を下げた。



あのことか、なんて思っていると
Aが恵のそばに走っていき
耳打ちをする。



「そうなんですね」

「うん、秘密だからね」



にっこり笑顔を浮かべたA。
そして、納得した表情の恵。



「そういや、Aは
棘の言いたいことすんなり
理解出来てるよな？」

「私も最初はよくわからなかったけど、
これでも幼馴染だから、棘の言いたいこと
わかってます。
今では狗巻語のスペシャリストですよ」




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