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先日母親が作って持ってきてくれたおはぎを夜勤明けにでも食おうと大切にしまっておいた。だがしかし、ここにないということは100%玄弥の胃袋の中だろう。
冷蔵庫を再び明け、何かないかと見てみれば「兄ちゃん」と袋に書かれた羊羹があった。それと茶を持ち部屋に戻る。読みかけの本を広げた。
「兄ちゃん、ごめんな煩かったよな」
「全然。楽しそうで何より」
「夜勤明けなのにごめん。もうみんな帰ったから、静かになったよ」
部屋に入ってきた玄弥を手招きする。
嬉しそうにこちらにやってきた玄弥に、ニコリと笑顔を浮かべ関節技をかけてやる。「痛い!兄ちゃん痛い!」と嘆くそいつに、俺のおはぎを食いやがった罪だと力を入れた。
「ごめん、友達が勝手に食ったんだよ!だから代わりに羊羹買ってきておいたんだ!」
「そうかィそうかィ」
「うああああ、兄貴ッ」
しばらくして玄弥を解放し、ベッドに横になる。
13時ごろに起きると伝えれば、昼飯を作っておくと玄弥は言って部屋から出て行った。布団を被り、目を閉じたところ再び扉が開く。
あ?と顔を上げれば、玄弥が一度謝って口を開いた。
「そういや、友達が夜勤明けなのに騒がしくしてしまってごめんなさいって伝えてくれってさ」
「………友達?」
「うん、女友達なんだけどね」
女友達というワードに、台所であったあの子だと確信し「あぁ…」とボヤいた。「今時律儀で良い子だな」と背中を向けて目を閉じる。
「うん、めちゃくちゃいい子だよ」
「そうかィ」
「じゃあおやすみ」
閉まった扉に今度こそ眠りにつけると布団に身を任せた。だがまたすぐに開いて玄弥が声をかけてきやがる。「昼飯何が良い?おはぎ?」と体を揺さぶってきやがった。
「昼飯はなんでもいいからいい加減寝かせてくれやァ!!あと3時におはぎ食うから買ってきておけぇ!!」
「わかったよ」
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青子(プロフ) - もう、切なくて胸が痛いです…更新楽しみにしています!!よろしくお願いします!! (2021年1月24日 9時) (レス) id: 32fb39756e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - めーこさん» コメントありがとうございます!そうだったんですね、、出してからちょっとしたころに勝手に消えちゃって再上げしたんです、、また出会ってくれてありがとうございます、、まだ続く予定なので最後までご愛読お願いします! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 菜一郎さん» コメントありがとうございます!映画館のくだり〜!ありがとうございます!!キュンとくるようなエピソードこれからも入れるよう試行錯誤練ってみます!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - *カフェオレさん» コメントありがとうございます!単純なのでそう言ってもらえてうれしいです、私も好きです!! (2021年1月23日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
めーこ(プロフ) - 初めまして!初コメです!以前読んでて突然消えてからずーーーーっと気になっててまた出会えたことに感謝感激雨あられです!更新頑張ってください!陰ながら応援してます!! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 2c11b94916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年1月14日 18時