年下彼女に要注意？【神威】

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「この前も言った通り、俺はAが今でも好き。これからもずっと」


「……」



何を返せばいいのかわたしにはわからない。

私の本当の気持ちは蓋をしたままで、こうして二人きりになるのはまだ私には辛いものだった。


少し痩せたような気がする神威さん。
ちゃんとご飯を食べているのだろうかなんて母親でも彼女でもない私が気にするなんて変なこと。



「……離してください」



苦々しい想いで、必死に振り絞った言葉。
本当は離して欲しくない、このまま抱きしめてもらいたいなんて思っていることきっと貴方は知らないだろう。



「かむ…、社長、こんなところ上に見られたら大変ですよ」


「別にどうってことないよ」



「俺はAが、」といいかけた時、私たちの間に着信音が鳴り響き神威さんはそれを確認してスマホをまたポケットに隠した。


油断した途端、彼に引き寄せられて胸にすっぽりと収められた。「誰からだったんですか」と彼に尋ねるも神威さんは「阿伏兎」だと言った。


思わず、笑ってしまった私を彼は怪訝そうに離してかれ見つめた。



「嘘はいいですよ。吉沢さんじゃないんですか？」


「え、」


「あの時みたいに嘘をつかれるのはもう嫌なんです私」



嘘かどうかなんて決まってないのに、そう決めつける私は酷い女だ。"あの時"？と疑問を浮かべている神威さんにハッとするが何もない素振りを見せた。



「……すみません、帰らせてください」


「さっきのどういうこと？俺が嘘ついたっていつ？」


「……っ、思い出したくないです…！！」



神威さんの手を振り払おうとするがなかなか離れない。



「お願い……離してください…」



私の手が震えていることに気づいた彼は私を見ると手をするりと解いた。



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