年下彼女に要注意？【神威】

under girlfriend 29 ページ32

*



「あ、阿伏兎さん、こんにちは」



翌日、書類をまとめ上げた私のところにやってきたのは阿伏兎さんだった。挨拶をすると、彼は苦い顔をして「それ代わりに社長に出しててやるよ」と手から書類を取り上げた。


私と神威さんが別れたのを知って、私を気遣ってくれたのだろう。阿伏兎さんにお礼を言うと、彼は今日の昼一緒にご飯をどうかと誘われた。神威さんも一緒ではないのだろうかと不安に思っていると、阿伏兎さんは「俺と二人な」と言った。


お昼の時間帯になり、阿伏兎さんと社外に出てお昼をとりに小さなカフェレストランへと入っていった。



「社長のことだが、」


「……やっぱり、そのことだと思ってましたよ」



注文を取り終えた直後すぐに本題と言わんばかりに言い出した阿伏兎さんは「わかってたのか」と。


彼は神威さんがご飯を食べないだの元気がないだの言って寄りを戻す気はないのか私へと尋ねた。それに「ごめんなさい」としか返せず。



「今の私は神威さんと一緒に居られないんです」


「社長のどこが悪かったんだ？」

「神威さんは何も悪くありません…！ただ私が弱かっただけだから…。」



神威さんは何一つ悪くないのだ。
あの場面を見て神威さんを信じられなくなってしまった自分。それが私の弱さなんだ。



.

under girlfriend 30→←under girlfriend 28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す