年下彼女に要注意？【神威】

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「神威さん？」



ぼーっとしている俺に吉沢グループの社長令嬢が不審そうに声をかけてきた。Aから別れを切り出されて三日。


最悪にも土日を挟んでいた。
Aのいない土日はすごく憂鬱で未だに自分が振られた理由がわからないでいた。


あの時追いかけていたら何か変わっていたのだろうか、と思ったがあの状況で追いかけてもAを尚更苦しめるんじゃないかと思いそれはできなかった。



「料理口に合いませんか？」


「うーん、恋人が作ってくれてたのが口に一番合ってたんだよね」


「お料理上手なんですね」


「うん……」



「どうかしたんですか」と紅茶を啜る彼女が聞いてきた。あまりAのことを話したくなかったが、協力者である彼女には伝えて置かなければならないと思った。



「……振られたんだ」


「え…？」


「三日前に、ね。振られてヤケになって彼女を無理やり押し倒したら、……泣かせた」



そういえば令嬢は驚いた顔をして「私、彼女さんにお話しましょうか」と立ち上がった。いや、君からAに話したところでさらに話がややこしなってしまいそうだ。



「俺、振られるなんて思わなかったんだ。いくらAが不安がってても俺好かれてる自信が大きくて」


「女性って男性が思ってるより強くないんですよ」


「今回身に染みたよ。何を考えても、Aのことばっかり。好きなんだよなァ……、彼奴のこと」



令嬢は微笑んで「とても大切にされてるんですね」と。Aと付き合った日からずっと彼女を大切にしていこうと決めていたのにそれすらもうできない。



「一層の事、Aを連れてどこか遠くに行けたらいいんだけどな…」



ボソリと零してブラックのコーヒーにミルクを落としぐるぐるとかきまぜていれば、令嬢がダンッと手をついて「それですわ！」と。なかなか元気な令嬢だ。俺は今そんな気分にはなれないのに。



「かけおち！私、彼と駆け落ちします！」


「は、はあ…？」


「だから神威さん、協力お願いします！」



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