年下彼女に要注意？【神威】

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「だから言ったんでィ。俺にしてろって」



神威が吉沢グループの令嬢とホテル前にいたのをAより先に発見したものの、結局Aも見てしまった。


もともと不安があったらしい彼女がボソボソと何かをつぶやいていた。こんなところで泣いてるAを放っておける訳もなく落ち着くまで抱きしめていた。


「帰る」というAを無理に引き止めて、個室のある飲食店に入った。


結婚の約束をしている仲だっつーのに、なんでそんな大切な時期に彼奴はAを裏切るような行為をしていたのか。そしてAはそれを知っていてなぜ黙っていたのか。


俺はただ今もなお愛しい彼女がこんな目に遭っているのが許せなかった。


なかなか話してくれないAに「お前、その調子のまま彼奴と結婚できるのか」と率直に尋ねると泣き止みかけたいた目からまた涙がこぼれ落ちてきた。



「…………神威さん、見合いの話が来てたの」



会社の社長とならば、そういう類の話が来るのはなんとなくわかっていたが本当にそう来たとは。



「…………私、もう無理かも……っ」



ひどく震えながらAはそう口にした。
「ずっと不安で何があっても信じようとしてたのに」と限界に達したように目を伏せた。


不安が積もり重なり、今日あの光景を見て目の当たりにしてしまったAにはもう我慢するには無理なようだ。



「……別れろよ」


「………ッ」


「そんな奴とは別れろィ。……俺ならAにんな想いさせねェ」



久々に再会して誤解を解いたあと好きな奴のことを話してくれた時の顔。鬼兵隊で会った時のAの幸せそうな顔。ーーーあんな幸せそうな顔をしているAを応援してやりてェと思う反面ずっとその表情を向ける相手が神威ではなく俺だったらどれだけ嬉しいかと何度も妬いていた。


だが、今のAを見て思ったのだ。



ーーー神威から奪ってやら。


俺の方がAを幸せにしてやれるのではないか、と。



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