年下彼女に要注意？【神威】

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「A！」


「……あ、神威さん…」



久しぶりの土曜日出勤は午前で終わり、昼から神威さんと待ち合わせをしていた。


神威さんは午前中に先方との打ち合わせがあり、それが終わり次第合流して…という話だった。某有名なコーヒー屋さんで先に待っていた私の元へ走ってやってきた彼。


「お疲れ様です」とにこりと笑うと神威さんは「それじゃァ、行こっか？」と言った。残り少しのココアを飲み干して、カップを返却口に持っていく。


私の鞄を持って先に出口の方で待っててくれた彼からそれを受け取ってコーヒー屋さんを後にした。



「どこに行こっか」


「私、神社に行きたいです」


「神社かァ、Aそういうところ好きだよね」



ここから近い神社へと歩いて神威さんと行く。

昨日の夜、映画を見に行く予定だったのが神威さんの例の見合いの件が入り行けなくなったのだ。その埋め合わせが今日で。


どうだったのか、昨日の様子を聞こうにも聞けなかった。聞くのが怖かったのだ。だけど聞かないでいるのもまた不安で。




「あの、神威さん」


「ん、なに？」


「昨日は、………どうでした？」




彼は一度停止すると「うん、まあ思ってたより意外によかった」と言った。「え」と頭が真っ白になる私に、彼は慌てて「そう言う意味じゃないよ。ちょっといろいろあってね」と訂正する。


違うとは言え、不安がまた一つ積み重なる。
立ち止まる私につられて、神威さんも足を止める。「ごめん」と謝ってきた彼に首を横に振る。


私より少し背の高い彼を見上げると、爪先立ちになって彼にキスをしたのだった。



「……馬鹿」



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