年下彼女に要注意？【神威】

under girlfriend 12 ページ13

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ーーー吉沢グループの一人娘、吉沢ニノン。



「こんにちは」


「どうも」



今日は、その社長令嬢と会わなければならない日だった。それが今日だとAは知っている。俺が会社から出る時まで不安な色を隠せていなかった彼女。


大丈夫ともう何度言っただろうか。
それだけで彼女の不安がなくなるはずがないのに、それ以上の言葉が出てこなかった。


吉沢グループの現社長である男とその奥さん、そしてこちら側にいる本部のジジィ。その三人が席を立って、彼女と二人きりになったところ、俺は迷わず口にした。



「初めに言わせてもらうけど、俺は君と結婚する気はない」



初めは驚いていた令嬢だった。
本部と彼女の父親が勝手に決めつけたこととは言え、俺よりも上の者に盾をつこうとしている俺に驚いたのだろう。


「なにを言ってらっしゃるの」と咎められるかと思いきや、彼女は口元に手を持っていき「……よかった」とポロリと零した。令嬢はハッと我に返って自分の零した言葉に青ざめた。



「それは、どういう意味で？
俺はともかく、君も俺との勝手な婚姻は嫌ーーーと受け取っていいんですか」



真っ直ぐに彼女を見つめてそう問うと、彼女は「……はい」と小さく呟いた。



「神威…さん、でしたよね？」


「えぇ、そうです」


「貴方は先程私と結婚する気はない……そうおっしゃいました。それは、貴方にも素敵な方がいると受け取ってよろしいですか」



丁寧な口調の彼女に頷いて「貴方"にも"ということは君もなんだね」と聞くと、首だけを動かして意を示した。




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