older man 12 ページ14
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寝室から戻ってきた社長はコートとジャケットを脱いでおり、暖かいこの空間の中で腕まくりをした。おそらく汚れないようにしているのだろう。
簡単に作った炒飯と卵スープを温めなおして、彼の前に出す。社長は終始驚きながら、「これ佐倉が?」と。
「はい」
「へぇ…、」
興味なさそうな返事なのに、どこか嬉しそうな社長はそれを口にする。パクっとスプーンで食べた時の表情は、笑っていた。
「……ンまい、」
「本当ですか?よかったです」
パクパクと口に運んで行くその姿を見つめていると、社長が視線に気づいて「何?」とどこか不愉快そうに顔を歪めた。
「いえ!!なんでもないです…」と手を左右に振る。
「……でも、ありがとう」
「…え?」
「久しぶりに美味しいご飯食べたよ」
いつの間にか綺麗になったお皿。
社長から美味しいと言われて嬉しくなってしまう。
腰をあげると、社長に「近くにスーパーありませんか?」と聞くと彼は一番近くのスーパーを教えてくれた。
「ちょっとお買い物行ってきます」
「なんで?」
「……なんだか嬉しくって」
もともと料理が好きでそういう系統の仕事に就きたかった。久々に誰かに「美味しい」と言ってもらえて、変にやる気スイッチが入ってしまったようだ。
「また台所借りてもいいですか」と聞きながら玄関に行くと「いいけど」と社長は言う。
「……俺も行く」
「社長疲れてますよね?」
「……疲れてるけど、迷子になられたら困るから俺も行くってだけ」
「一人で行ってきますよ」と言うけれど、社長は一歩も引いてくれなかった。彼は私の先に玄関の扉を開けると「行くよ」と言ったのだった。
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美桜(プロフ) - 銀皐月さん» コメントありがとうございます!うわわわ、そう言ってもらえて嬉しいです(泣)あんまり甘々にできなかったなァと感じてるんで続編では甘々っぽさを出して行きたいと思います!!年下沖田との同時進行で頑張ります! (2017年12月30日 12時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - 年上シリーズ、第一巻完結おめでとうございます!やっぱり美桜さんの書かれる神威くんは格別です。甘々な彼に、胸もお腹もいっぱいです。が!まだまだ私のお腹は満たされませんよ!笑笑 年下沖田と同時進行、頑張ってください! (2017年12月29日 9時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - りょー。さん» コメントありがとうございます!ホントですか?!ありがとうございます(泣)今回は甘い言葉を年上な神威くんに囁いて欲しくてこうなりました笑自己満ばかりの内容ですがこれからもよろしくお願いします!はい、更新頑張ります! (2017年12月28日 9時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
りょー。(プロフ) - 初めまして!美桜さんの作品は全部ずーっと読んでいて大好きです!今回の神威も言葉には表せないくらい素敵です(ノ)ω(ヾ)ニヤニヤしながら読ませて頂いてます!!更新頑張ってください(●´ω`●) (2017年12月13日 23時) (レス) id: 365e28b0af (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 狛犬と朧月+さん» 朧月さん!コメントありがとうございます!素敵な作品とは程遠いですがそう言っていただけて嬉しいです!はい、更新頑張ります! (2017年12月10日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2017年12月9日 10時