年下男子と恋愛中。【神威】

恋愛30 ページ30

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「お願い！」


「……でも」


「Aにしか頼めないことなの」





またしても合コンの埋め合わせに私が抜擢されたらしい。帰り際、友人たちが皆揃って頭を下げてくる中スルーして帰ろうかと思ったけれど。



彼女らは諦めることを知らないのか、私の両腕を掴んで半ば無理やり引きずるように学校を出た。




「Aは一生彼氏できないのわかってるからこうやって合コンに誘ってあげてるんだよ」


「……言葉の暴力だ」




ここで「彼氏いるもん」って発言できたらどれだけ楽だろうに。バスの中へと乗り込み、目的地まで行く中神威くんに「ごめん遅くなる」とラインを送った。


すぐに返って来た返事は「用事？遅くなるなら迎えいくよ」と。



「"だいじょう…」

「A！誰とラインしてんの？」


「ひぎゃ？！」


「変な声」




横から覗くようにみられ、焦ってスマホを隠す。
返信の途中だったことで、神威くんからのそれは既読無視状態。



そんな状態に神威くんが納得する訳でなく。

いきなりかかってきた電話に出ると「どこ行くの」低い声が聞こえてきた。電話越しの会話なんて滅多にないからある意味新鮮であるけれど、怒ったような口調に声が小さくなってしまう。




「友達とご飯…」


「ふーん、そっか。楽しんでおいでよ」


「うん、ごめんーー」
「A早く！合コ、」



そこで電話を切った。
神威くんに謝る前に重ねられた友人の言葉。さすがに危機感を感じて思わず切ってしまったのだ。




「(か、完全にやばいかも)」




電話の向こうの神威くんがどんな顔しているのかが一番怖い。



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