愛して、病んで。【神威】

病14 ページ15

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「片目の方はもう…」




そうですか、と
小さくこぼした言葉に医務室の先生は
…はいと返した。





「A、大丈夫？」





私の光を奪った張本人は、
まるで他人事のように、

自分がやった罪悪感など持ち合わせずに
私に歩み寄ってきた。



片目の光がない今、
見えているであろうもう一方の目を
開けられない。




「神威…？」




彼の声が耳を吹き抜ける。

冷静な彼に戻ったようだ。


私を心配するその声に、
安堵しつつも彼の顔が見えないのが

私の心を支配していく。





「神威っ、神威っ、」


「うん」





両手を伸ばして、
存在を確かめるように

その頬に手を触れる。



冷たい彼の頬で、
存在を確かめると安堵の息を漏らすように
「よかった、神威だ…」と言った。




「……団長、」


「なに？」




私を抱きしめる彼の背中に
手を回して抱き合っていると、


医務室の先生は彼を呼び、
「貴方は何をしているんですか」と
言い放った。




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