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「送ってくよ」
「……いいよ、忙しいでしょ？轟くんも」
エンデヴァー事務所を出て、駅の方に歩いて行く。彼の家が変わってなければ、真逆の方向だ。それにヒーロー活動で忙しいその身でまた私の家まで送ってもらうのは流石に遠慮してしまう。
「その轟くんってのやめろ」
「え」
「なんで、俺のこと焦凍って呼ばねぇんだ」
「それは……別れたし……」
心のうちではめちゃくちゃ"焦凍"って呼んでますがお許しください。表情こそは変わらないが少し不貞腐れたのかそんな声色で「焦凍って呼べ」と呟いた。
「緑谷や爆豪のことは名前で呼んでるだろ」
「だって、幼馴染だし」
「……俺と何が違ぇんだ？」
焦凍の指先が私のにあたり、思わず手を離れさせようとすれば彼は私の手をとり、引き寄せる。距離が近くなった焦凍は私の肩に額を乗せると「俺はまだあの時のこと消化しきれてねぇんだよ」と言い、「焦凍って呼んでくれ」と懇願するように小さく呟いた。
このわがままを言っているような姿、久しぶりに見たなと焦凍の肩に触れた。雄英で付き合い始めた頃も、放課後に同じように「俺のことも名前で呼べ」と言ってきた。
まだ名前で呼ぶことが恥ずかしく無理と恥ずかしがっていたら、今と同じように「焦凍って呼んでくれ」と言ってきた。それでもなかなか呼べなかった私が毎回「轟くん」と呼ぶと、彼は名前で呼ぶまで返事をしなくなったっけ。
「………焦凍」
「おう」
顔を上げた彼がものすごく嬉しそうに笑うから。
なんでそんな名前を呼んだだけで喜んでくれるの？あの時、何も言わずに別れを告げたのにこうして今私と一緒にいてくれるの？
「……やっぱり送ってもらおうかな」
「あぁ、わかった」
こんな私に焦凍がもう一度笑ってくれたから、まだ一緒にいたいってそう思ってしまった。
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莉緒(プロフ) - めっちゃ好きです！！続き待ってます。更新頑張ってください！ (1月15日 12時) (
レス) @page36 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
藍蝶(プロフ) - エンデヴァーが冷や汗流すの面白すぎますWW (1月3日 19時) (レス) @page35 id: 73807850f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2023年9月18日 12時
