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「ごめん、私帰るね」
「え、もう帰りますの?」
「うん。明日、仕事だし」
暫くして皆もお酒に呑まれ始めた頃、百ちゃんにそう言って鞄を持ち帰る準備をする。焦凍がトイレに立った今がチャンスだと思った。
「おい、A。てめぇ、LINE一度消しただろ。連絡先教えろや」
「いいよ、ダイナマイト様に時々荷物持ちしてもらおうかな。幼馴染の特権で」
「俺を使うんざ、高くつくぜ」
連絡先を交換して、「じゃあね」とかっちゃんに手を振るう。彼は「またな」と言って絡んでくる切島くんの相手をしていた。
「Aちゃん、ごめん」
「良いよ。けどさ、今度からはちゃんと言って欲しい」
「けど、言ったら絶対来てくれないだろ？」
「そうだね。行かないと思う」
個室を出て、出口近くで出久くんに呼び止められた。私の言葉に彼は唇を強く噛んでいた。
今まで何回も同窓会に誘われていた。数回断れば、彼はよく私のところに直接来て誘っていた。けれど、私はA組の同窓会には行きたくなかった。
彼を責めるわけにはいかない。多分、本当に優しい人だからこんな会を開いたわけだろうから尚更だ。
「緑谷は悪くねぇよ」
その言葉と共に登場した焦凍を一度見るも、視線を逸らせば「俺が緑谷に頼んだんだ」と私のすぐそばに来て手首を掴んだ。
「……そう、……だったんだ」
「あぁ、お前と会いたかったからな」
それでも余計なお世話を焼いたと思う。
私は出来れば会いたくなかった、辛い思いをするのはどのみちわかっていた。焦凍がどんな思いでいたのかは知らないし、なんでこんなことを出久くんに頼んだのかもわからない。
「私は会いたくなかった」
「それは自信がねぇからか」
「……そうだよ、自信なんてないよ」
なんでもできた焦凍。エンデヴァー事務所への内定も決まっているようなもので、何もかもにおいて完璧だったから。
それに加えて私はどうだ。ヒーローとして挫折して、今ではヒーローとは無縁の仕事をしている。怪我をして何もかも失った。
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莉緒(プロフ) - めっちゃ好きです！！続き待ってます。更新頑張ってください！ (1月15日 12時) (
レス) @page36 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
藍蝶(プロフ) - エンデヴァーが冷や汗流すの面白すぎますWW (1月3日 19時) (レス) @page35 id: 73807850f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2023年9月18日 12時
