31 ページ31
*
「ねぇ、二人ともさ時々チームアップしてるぐらいなのに、なんで雄英の時より険悪なの？」
「てめぇがボケカスだからだわ」
「私のせい？ひどくない?」
その鈍感さ、時々怖く思う。
爆豪がAのことに惚れていること、A本人は気づいていない。完全にAは幼馴染だと思っている。しかし、爆豪もただの幼馴染相手にここまでしねぇだろ。
「………で、あの記事出ててめぇは大丈夫なんか」
「……あぁ、ちょっといろいろ思い出しちゃったけど、今は、平気」
「そうかよ」
チラリと俺をみる爆豪に頷いた。爆豪は大きな舌打ちをして、Aの頭を撫でくりまわしていた。
「それで最近はお家デートってやつを堪能してるわけかよ」
「デートっていうか、そのこれはね」
「そうだ、デートだ爆豪。だからお前今すぐ帰れ」
邪魔すんなと言えば、爆豪の何かがブチッと切れた。「付き合ってねぇのにデートとかほざいてんじゃねぇぞ舐めプ野郎が！」と怒鳴られる。
男女が二人で出かけることを「デート」って呼ぶんじゃねぇのか。外出はせずに家だけど、それでも「デート」って呼ぶと学生の時教えてもらったぞ、峯田に。そもそも「お家デート」と先に行ったのお前だろ。
「ちょっとかっちゃん、近所迷惑だよ」
「そうだぞ爆豪」
「くそったれが！心配して損したわくそが！」
カッカッ怒りながら腰を上げた爆豪に、Aが「ありがとう、心配してくれて」と笑顔を見せていた。「かっちゃんは頼れるお兄ちゃんって感じ」と言って爆豪を玄関先まで送っていく。
「そう言えば仕事慣れたか?」
「うん！最近はね、エンデヴァーの好みのお茶の濃さがわかってきた。おとといはお茶を褒められたの」
「……最近、親父もAのこと気に入ってる」
「それは嬉しいね」
多分きっとAの良さをわかってくれた証拠だろう。サイドキックのヒーローたちはもちろん、他の社員たちとも上手くやれているようだし、よく笑っている姿を見かける。
「楽しいか？」
「うん、ありがとう」
その笑った顔がずっと見ていたい。
笑ってくれる分、俺も嬉しいから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 393人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉緒(プロフ) - めっちゃ好きです！！続き待ってます。更新頑張ってください！ (1月15日 12時) (
レス) @page36 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
藍蝶(プロフ) - エンデヴァーが冷や汗流すの面白すぎますWW (1月3日 19時) (レス) @page35 id: 73807850f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2023年9月18日 12時
