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一日の業務を手帳にまとめていると、「A」と私を呼ぶ声に振り返る。私服へと着替え終えた焦凍が「もう終わるか？」と首を傾げて聞いてくる。
「……うん、もう終わり」
「飯、行かねぇか？」
「焦凍くん頑張るねー」とサイドキックたちから背中を押されている彼は照れくさそうに「都合悪かったら良いけど」と頬を掻いた。
行こうかな、と鞄に荷物を詰めていると「何食いてぇか？」と聞かれ、少し考えて和食と答える。焦凍はほんのちょっと嬉しそうに顔を綻ばせるとスマホで何やら調べ始めた。
帰る支度を終えて、キャップを被った焦凍に声をかければ彼は「よし、行くか」と私の手を握る。「や、あの、」とびっくりして声を出せば、不思議そうに首を傾げる彼。
「ダメか?」
「……ダメっていうか、流石にここではちょっと」
「なんでだ？」
いや、サイドキックたち見てるし。
営業の人や他の事務の人たちも、見ているわけですし。何よりも、
「私たち付き合ってないでしょ」
「言っただろ、また俺のこと好きにさせるって」
数人の女性の社員がめまいを起こして倒れた。漫画みたいなコマだな。焦凍は結局そのまま手を繋いで歩き出すし、このまま外に出たら危ないんじゃないか。
しかし、どうやら車を用意してもらっていたらしい。
ジロリと運転手さんに見られ、頭を下げて乗り込む。
「A、魚好きだったよな」
「うん、和食って言ったらやっぱりお魚だよね」
今でも私の好きな食べ物のこと覚えてくれている。
多分きっとお寿司よりも、焼き魚など調理されたTHE和食が好きなのも覚えてくれていて。
「前に夏兄に教えてもらった日本料理店でいいか？あそこの魚料理すげぇ美味しいから」
「………私の好きなもの全部覚えてくれてるんだね」
あぁ、本当こんな自信のない私のどこを好きになってくれたのか。自信さえあれば、その手をまた取って歩き出すこともできるはずなのに。
「Aの好きもの、一度も忘れたことねぇぞ」
「…………嬉しい」
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莉緒(プロフ) - めっちゃ好きです！！続き待ってます。更新頑張ってください！ (1月15日 12時) (
レス) @page36 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
藍蝶(プロフ) - エンデヴァーが冷や汗流すの面白すぎますWW (1月3日 19時) (レス) @page35 id: 73807850f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時：2023年9月18日 12時
