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初めは「なんでこんな子供を俺の前に連れてきたんだ」そう思った。
公安でのプロヒーローへの教育プログラム。今になって思えば、公安に拾われてからも同年代の子どもと遊ぶことがなかった俺へのそれなりの配慮だったんだろう。
知らない適当な場所から連れてくるよりも、同じ公安の人間の娘を連れてくるほうが手っ取り早かったんだと思う。
しかし慣れ合おうとは思わなかった。
俺より二つ下で、ぬくぬくと愛情深く育てられた子とは合わないと思ったからだ。「漆畑A」そう自己紹介をした彼女の顔を今でも鮮明に思い出せる。
初めこそ無視していたけれど、そんな俺に無邪気でいた。
「お父さんもお父さんの友達もみんな君の名前を教えてくれんと。なんていうとー？」
「……………」
「それ、エンデヴァーのぬいぐるみ？」
「……！」
かっこいいねと笑う彼女に初めて反応した。
「そう、俺この人みたいにかっこいいヒーローになるんだ」と話しては、ポカンとしている彼女にやべと思った。馬鹿にされる、そう思っていると「君、ヒーローになりたいと？」と彼女は笑う。
「すごいね！！じゃあこのお羽はたくさんの人を助けるためについとるっちゃんね」
「なんのためにその羽がついとると」そう母が言った。その答えが、今この子の口から出てきた。だからだったのか、「私もねお母さんから個性受け継いだんだけどね」と自分のことを話し始めた彼女の手を咄嗟に握った。
「…………けいご」
「え？」
「俺の名前、……啓悟。啓悟って呼んで、Aちゃん」
鷹見の名を捨てて、新たな人生を歩む。公安から言われたことだったのに、彼女には俺の本当のことを知っていて欲しかった。
「ーーー啓悟、よろしくね」
それからはすぐに打ち解けた。
同じ時間を二人きりの空間で過ごした。俺の後を「啓悟啓悟」と呼んでついて回るのも、俺に笑ってくれるのも、全部好きになった。
「あのねあのね、啓悟はきっと大きくなったらたくさんの人の笑顔を守るかっこいいヒーローになると思うの。だから、啓悟、私は啓悟が安心して帰ってこれる居場所になるね」
「……俺、何があってもAちゃんのこと守るね。たとえ嫌われても、守るから」
「……？啓悟のこと嫌いになるなんて絶対ないよ？」
*
「ーーーもうAは忘れてるかもしんないけど」
「何の話？」
「内緒」
目の前でケーキを頬ばる彼女ににこりと笑った。
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浦玖珂 咲希(プロフ) - すやすや眠る夢主ちゃんの横で永遠に焼き鳥の数を唱えてるの想像したらシュール過ぎておもろい (2023年3月23日 23時) (
レス) @page32 id: e9e20e1e7a (このIDを非表示/違反報告)
浦玖珂 咲希(プロフ) - みんな本家通りの性格してるのに面白すぎる、最高過ぎる！！！ (2023年3月21日 3時) (レス) @page25 id: e9e20e1e7a (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 微笑ましい〜！ (2023年3月13日 13時) (レス) @page6 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜
| 作成日時：2023年3月12日 17時
