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意識が戻った時、警察病院にいた。


ニュースにはデカデカと警察と梵天との抗争の末、警察は一人を除いて全員が殉職、梵天の尻尾をつかむことは出来なかったと報道されていた。


私は警察上層部に事情聴取をされた。
この作戦の立案者である両親は梵天に殺され、部下も全員殺されたことを報告。生き残ったのは私一人だけだと。



「今回のことを糧に、これからも公安として、」

「………警察に戻るつもりはありません。辞めます、傷が痛むんです。……もう戦える体ではありません」



警察のトップに言われたってもう無理だ。
知り合いの医者に偽造してもらった診断書を見せれば頑なだったが辞表を受け取ってくれた。


妹に連絡を入れるといつものように明るい声で「どうしたのお姉ちゃん」と言ってくれて泣いてしまった。この子から両親を奪ってしまった罪悪感に蝕まれる。けれど彼女は決して私を責めない。



「これからはお姉ちゃんの人生だね!」

「………ありがとう」



借りていたアパートの契約を切り、荷物は最小限にまとめた。後のものは全て処分して、その場を後にする。




『灰谷くん、お願い私に手を貸して欲しいの』
『俺のことそう呼ぶってことは思い出した?竜胆のこと。……Aちゃんはどっちを選ぶ?危険のない平穏な生活か、竜胆と共にどん底まで堕ちていく未来か』




慣れた足取りでとあるマンションに向かった。セキュリティのためのパスワードを入力して、最上階を目指す。
あの時からわかっていた。


悪さばかりしている竜胆くんに恋をすれば危険がたくさんあるって。



「ーーー二度と関わるなって言っただろ」



竜胆くんから関わってきたくせに、そんなこと言わないで。あの時も、今もまだ何も貴方に伝えられていないから。ちゃんと口にして伝えたいの。



「灰谷竜胆くん、12年前からずっと好きだった」



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(プロフ) - 完結おめでとうございます。そっと竜胆くんたちを見守らせていただいておりました。番外編もありがとうございました!とても癒されました。次回作も楽しみにお待ちしてます! (2022年1月10日 18時) (レス) @page46 id: 1f3bc36824 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 完結おめでとうございます!そして素敵な作品ありがとうございます!やっぱ美桜さんの作品好きすぎる、、、次回も楽しみにしてます! (2022年1月10日 11時) (レス) @page46 id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2021年12月25日 13時

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