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「ただいま」
扉を開ければいい匂いが鼻を掠めた。丸めたスーツのジャケットを持ったままキッチンを覗けばAと兄貴がいた。
「おかえりなさい」
「竜胆おかえりー」
「何してんの?」
「料理」
あの兄貴が一緒に料理していることに驚く。
楽しそうに並んでいる姿を見て、ムッとすれば兄貴がニヤニヤしながら「そう怒るなって」とAの肩を抱いた。
しかし、Aは心なしか嫌がって「離れて…」と言っていた。ジャケットを洗濯機に放り込んでネクタイを緩めながらリビングに行く。
机の上には、オムライスやスープ、サラダが並べられていた。
「Aちゃんがな、竜胆にご飯作りたいってよ」
「………………」
「助けてもらったお礼も兼ねてだから、」
あはは……と照れ笑いをしている彼女をチラ見して、オムライスに目を向けた。確か一度だけ俺に弁当を持ってきてくれたことがあった。その時もオムライスだったっけ。
『お、弟の作ったんだけど、忘れて学校行っちゃったから、り、竜胆くんどうかなって!』
『マジ?食う食うめっちゃ食う』
『ホント?良かったぁ』
懐かしい。
味も昔と変わらなかった。マジで美味い。
「美味しい」
「ホント?良かったぁ」
「……あぁ、ホントうめぇわ」
飯を食い終わった後、三人でソファーに座りテレビを見ていた。明日は特に何もない、反社にも休みはある。横目でAを見ると、テレビに夢中で見入っていた。
「なあ、A」
「はい、!」
「明日出掛けねぇか?」
そう誘えば彼女は「え?」と驚いた。そんなに驚くことか?それかいきなりすぎて引かれたか。何か誘う口実を探した。
「ほら、服…それぐらいしかないだろ」
「………あっ、そうですね、あ、そうだね」
「おう。必要なもの揃えに行こうぜ」
「うん!」
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ゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます。そっと竜胆くんたちを見守らせていただいておりました。番外編もありがとうございました!とても癒されました。次回作も楽しみにお待ちしてます! (2022年1月10日 18時) (レス) @page46 id: 1f3bc36824 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 完結おめでとうございます!そして素敵な作品ありがとうございます!やっぱ美桜さんの作品好きすぎる、、、次回も楽しみにしてます! (2022年1月10日 11時) (レス) @page46 id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2021年12月25日 13時