9 ページ9
*
餓鬼の頃からの幼馴染というのは少し厄介だ。
「おっ、いたいた。A!!」
「あ、場地くん!」
学校終わりに、その幼馴染であるAの学校に行って校門付近で待ち伏せをしているとすぐに見つけた。そのあとすぐに見えたマイキーとドラケンも俺たちのとこにやってきた。
Aはカワイイから中学でモテているのはドラケン経由で聞いている。今も同級生らしき男たちがチラチラとAを見ていた。
「おい、見ろよあのぺったりメガネ。ダッサ」
「俺らのAちゃんに何のようだろうな」
「つか、頭悪そうじゃね?」
如何にも頭が悪いのは自分で理解しているから否定はできねぇ。普通に俺たちに聞こえるように言ってくるもんだからマイキーはケラケラと笑っていた。
「こら!場地くんはかっこいいんだぞ!頭悪いけど、ダサくない!」
もう!と怒っているAにソイツらはペコペコ頭を下げると走っていった。同級生を追い払ったAはプンスカと頬を膨らませて「場地くん、形から入るのはいいけど」と俺の髪に手を伸ばす。
ゴムに指をかけて、スッと解いてくるそのAの面は何か唆るものがあった。
「場地くんはこっちの方がいい。好き」
「てめぇ……朝時間かけて整えてんだぞ」
くそ上手すぎる。本人にはその気がないのがまたタチが悪い。Aは俺の髪で遊びながら「今日はどうしたの?」と聞いてくる。
「場地はAに会いたくて来たんだよ」
「違ぇよマイキー!!!お前に会いに来たんだよ!!なんでAに会いにいかなきゃなんねぇんだよ」
「素直になれよ場地」
なーんだ、と俺の髪から手を離したAが不貞腐れたように校門に行く。千冬に「場地さん何やってんすか」と言われ、ごもっともすぎるが故に何も言い返せなかった。
「場地くん」
「んだよ」
「今日お母さんいないんだけど、場地くん家泊まってもいい?」
「お、おぉー。オフクロに伝えとく」
「やったー!おばさんのご飯美味しくて好き」
振り向いたAがにこりと笑って「じゃあまた後でね」と帰っていった。
.
1018人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆっち - 場地くんが可愛すぎて萌え死にしそうでした笑ステキな作品をありがとうございました! (9月12日 19時) (レス) @page50 id: 2cfaef044b (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 大満足作品です♡ (2021年12月23日 22時) (レス) @page49 id: 9458e1a5bb (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 完結おめでとうございます!美桜様の作品は不死川さんのお話からずっと見てます^_^次の竜胆のお話も楽しみです! (2021年12月23日 21時) (レス) @page50 id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)
ちびすけ(プロフ) - すごい面白かったですー!!!すてきな作品ありがとうございました!完結おめでとうございます^^新作も楽しみにしてます! (2021年12月23日 20時) (レス) @page50 id: 7cbe1392b9 (このIDを非表示/違反報告)
桜桜もっけ(プロフ) - めっちゃ好き。 めっちゃ可愛いです! もう、みんな可愛いです。 (2021年12月19日 11時) (レス) @page31 id: 5af1a4c2fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美桜 | 作成日時:2021年12月11日 17時