強引すぎるよ場地くん【場地圭介】

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「マイキーくん家は相変わらず大きいね」

「そう？」



場地くんとマイキーくんの家にやってきた。あんまり来ないから久しぶりなんだけど、変わらず大きいし広い。さすがは道場を持っているだけある。うん。


廊下を歩いていれば、突然横から突進してきたエマに抱きしめられる。なんなんだこの兄妹は。マイキーくんも学校で時々突進してきては抱きしめてくる。結構びっくりして心臓が口から出そうになるんだよ。



「おぉ、マイキーと場地」



なんなんだ一体。私を呼んだくせに、ドラケンくんとお家デートですか。私たち邪魔じゃんか。



「なんだケンチン来てたのかよ」

「おー……まあな」



何を照れてんだ。早くくっつけばいいのに。
マイキーくんの部屋で途中買ってきたお菓子を広げていると、エマとドラケンくんはドライブに出掛けてしまった。


何故私に会いたいからとマイキーくんを使ったのかますますわからない。ドラケンくんと遊ぶんだったら私は場地くんの家で今でものんびり寝てたのに！



「エマってほんとドラケンくんのこと好きだよね」

「おー」
「んー」



なんかつまらなそうな返事をされた。ちゃんと聞いてよと場地くんの手の中にあるお菓子を横から食べる。そうすれば軽く場地くんに叩かれた。なんですぐに手が出るんだろう。



「ねぇ場地くん」

「んだよ」

「場地くんは好きな人いるの？」



場地くんは食べかけていたお菓子を吹き出した。汚いなぁ、とむせている場地くんの背中をさすってあげた。マイキーくんの顔に場地くんの食べかけのお菓子が飛んだらしく、場地くんの顔にマイキーくんの拳が当たる。痛そうだね。



「………なんだよいきなり！」

「場地〜、好きな人いねぇの〜？」



便乗してマイキーくんも場地くんに同じ質問をした。机の上で作られた拳を場地くんはさっきからずっと見ていて、全然口を開かない。


なんか質問的にしちゃダメだったんだろうか。

場地くんが漸く顔を上げて、私と目が合う。けれど首が折れそうなほどそっぽを向いた彼は「……いる」と呟いた。



「ねえねえマイキーくん」

「なに？」

「マイキーくんはいないの？」

「俺の恋人は喧嘩♡」

「うわ……」

「ガチで引くなよ」



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