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夏の暑い季節。
夏休みに入った今、俺の部屋には、俺とAの二人だけ。千冬は今日から3日間親と旅行行くって言ってた。
夏の宿題をしていれば預かっているペケJが擦り寄ってくる。右隣のAはこの暑さにバテたのか居眠りをしていた。プリントに右頬をつけてはぐーぐー眠るAに、ため息をついた。
「…………カワイイ寝顔だな」
手を伸ばしてAに触れれば擽ったそうに顔を綻ばせた。何年も寝顔は見てきたがこれだけは昔から変わらない。
人差し指で頬を突いて、そしてそのまま唇に触れる。「……ん」と小さく彼女の口から声が漏れた。もっと触れてもいいだろうか、なんて誰もいないとわかっているのにキョロキョロを左右を見渡した。
「………起きねぇとチューすんぞ」
「………………」
コイツは昔から寝ると起きるまで爆睡している。
くーかーと寝息を立てているAに、ゴクリと息を呑む。小さなテーブルに手をついて、体を傾ける。
寝ている無防備な女にキスなんて胸糞最低だが、俺だって健全な男子中学生だ。シシュンキだし、ソウイウコトだって興味もある。まあそうさせてしまうのは全て目の前のコイツが原因だ。
「場地〜、それは男としてどうかと思うよ」
その声にハッと我に返った。
声のする方に顔を向ければベランダの窓から顔を覗かせるマイキーがいた。ニタニタとし、片手には靴を持つマイキーは窓から家の中に侵入してきた。
「おまっ!ここ何階だと思ってんだよ!」
「だってさ、階段登んの面倒くさいじゃん」
「つーか、今の忘れろ!Aには言うなよ!!」
幼馴染にキスをしようとしているところを、別の幼馴染に目撃されるという気まずい雰囲気。マイキーはケタケタと笑いながら「コイツ、すんげぇ寝てんじゃん」とAの頭を触った。
「触んなマイキー!!!」
「うっわ、怖ぇ〜」
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ゆっち - 場地くんが可愛すぎて萌え死にしそうでした笑ステキな作品をありがとうございました! (9月12日 19時) (レス) @page50 id: 2cfaef044b (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - 大満足作品です♡ (2021年12月23日 22時) (レス) @page49 id: 9458e1a5bb (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 完結おめでとうございます!美桜様の作品は不死川さんのお話からずっと見てます^_^次の竜胆のお話も楽しみです! (2021年12月23日 21時) (レス) @page50 id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)
ちびすけ(プロフ) - すごい面白かったですー!!!すてきな作品ありがとうございました!完結おめでとうございます^^新作も楽しみにしてます! (2021年12月23日 20時) (レス) @page50 id: 7cbe1392b9 (このIDを非表示/違反報告)
桜桜もっけ(プロフ) - めっちゃ好き。 めっちゃ可愛いです! もう、みんな可愛いです。 (2021年12月19日 11時) (レス) @page31 id: 5af1a4c2fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作成日時:2021年12月11日 17時