強引すぎるよ場地くん【場地圭介】

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場地くんとは保育園の頃からの幼馴染だった。
お母さん同士も仲が良かった上に同じ職場なのでどちらかの親が夜勤の時などはどちらかの家に泊まってた。


小学生までは仲が良かった場地くんだが、どうにも中学に入って反抗期と思春期に入ったのか私に対してはいつもああいう態度。しかし、一番困るのは真夜中の1時に家を訪ねてくることだ。



「おー、ちょっと暇だから付き合え」

「え、やだよ。寒いし」

「は？てめぇにモクヒケンはねぇよ！」

「拒否権ね」



肌寒い季節。

掴まれた腕で強引に彼は外の世界に私を連れ出す。どこから手に入れたのかわからないバイクを鳴らして、私にヘルメットを無理やりつける。寒ぃだろ！となんでか2着持ってきている上着を場地くんは私に着せた。


用意周到だね、なんて呟けば「うるせぇ！！」と叫ばれる。近所迷惑だ。


場地くんと走る夜の景色はいつも煌びやか。
ちょっと悪さをしている気分で、興奮しがち。けれど、いつまで経ってもバイクは怖いから場地くんに掴まって、体を寄せる。



「場地くん、どこ行くの？」

「わかんね」

「なんで千冬くんじゃなくて私誘ったの？」



場地くんは中学に上がる前に引っ越しちゃって今は千冬くんと同じ団地。勉強見てくれ！とお願いしてくる時はいつもバイクか歩きかで送迎してくれてる。


千冬くん誘った方がツーリングもできて楽しいだろうに。



「ち、千冬は今大変なんだよ！」

「何が大変なの？」

「ペケJの世話が大変なんだよわかれよ馬鹿」

「え？？」



なんで私強引に連れてこられて怒られてるんだろう。千冬くん、ペケJの世話そんなに大変なのかな。



「場地くん」

「んだよ」

「こんな暇があるんなら勉強した方がいいよ。この前うちに来た場地くんのお母さんが嘆いてたよ」

「……………」

「また勉強見てあげるから」



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