＿＿黒。【呪術廻戦】

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真っ暗な空に、不気味に光る月(それ)はあった





『……どこ………ここ…』


赤い月は嘘みたいに大きくて、この暗闇の中をその光で照らしていた


1歩、足を踏み出した時、ぴちゃりと水音が聞こえた。


足元を見ると、そこには月＿＿赤い月の上に私は立っていた

だが、私の足先から広がる波紋を見て、これは水面に映る月なのだと理解した。



水面に映る月は歪み、私は自然と波紋を目で追う

それは大きく広がっていき、やがて暗闇の中に消えていった。


月の光で明るいはずなのに、その先は真っ暗で何も見えない


何故私はここにいるのか


ここは一体どこなんだろう


私はいつからここにいた。


そんな思考さえ消され、私はただその神秘的な光景に釘付けになっていた。





＿＿＿そんな時、ふと、女性の声が聞こえた気がした。



そっと、水面に手をつくとそれは現れた




……真っ赤な、瞳。


赤黒い、血みたいな。でも私の頭上で光る月と同じ色をしていた。










＿＿＿＿早く、堕ちてきてよ






その人は私の腕を掴み、水面に引きずり込む


落ちていく感覚、目の前が真っ暗になった。







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視界が晴れてきた時、最初に目に映ったのは、さっきとは真っ反対の蒼だった。

とても、綺麗な瞳。純粋で、澄み渡っていてさっきのあの目とは大違いだった。








「A………？A、A……！！」




なんで、彼はこんなに焦って、声を上げているのだろう。



彼の後ろに、もう2人いることに気がつく。


その2人も同様に焦ったような、驚いなような。そんな表情をしていた









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『……だ、れ…？』








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気づいたら、そんなことを口走っている自分がいた









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