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本の残りが後、数十ページになった頃
ふと、ガラス張りの外を眺めた。
真っ暗な空に、浮かぶ
そんな月をみて考える。
私が生まれた紅月家は、月というものを凄く重視している。
家にある書には、古いものから新しいものまで、月に関係することが沢山書かれ、術式にも月は関連している
紅月家に伝わるなんとも嘘くさい言い伝えがあるが、紛れもない事実。自分が何よりもの証拠だった。
『(…いつ、わかるんだろうなぁ、これ…、)』
自分の胸にそっと手を添える。
前まではこれのことなんか全然気にしていなかった。
特別何かがある訳では無いし、容姿や使う術式が少し違うだけ、そんなものだったから。
でもある時、私の前に現れた呪詛師の言葉が、ずっと私の頭に引っかかっている。
「俺は今気分がいいから教えてやる、お前のその力、狙っているやつは沢山いるぞ」
_自分の首に、何億かかってんのか知ってるのか?
''何かが、ある''
私の知らない、何かを知っている人がいる。
この力を求める人がいる。
五条家の人だってこの力を得るため婚約を結んだ
何が、何が目的なんだろう。
もっと前から気にしてくるべきだった。じりじりと、私の中にあるそれが疼く。
その異変に、また不安が積み重なる。
『(…やめよう、考えるの)』
視線を本に移した時、遠くから聞こえる物音に気がついた。
悟くんが、帰ってきた…?
そう思うと、さっきまでの暗い気持ちが嘘のように晴れていた。
本に栞を挟み、立ち上がる頃には既に彼はそこにいた。
『あっ、悟くんおかえ「ごめん、本当にごめん、怒ってるよな、」
『…え?』
気づいた時にはまた彼に抱きしめられていて、私は困惑する。怒る?怒るってなんのこと?と。
『…おこ…?そんな、全然怒ってなんかないよ。それになんのこと?』
彼は必死にその高い背丈を縮こませ、私の首元に顔を埋めた。
彼の白いサラサラとした髪の毛がくすぐったい。
「電話もメールも、怒ってたから返してくれなかったんじゃねぇの?それに硝子と傑も言ってたし」
そっか、私が悟くんとの約束を破ったことに怒っていると思っているのか。
それはごめんね悟くん、全然怒ってなんかいないし、携帯修理出してるの言い忘れてたんだ。けど…
『…、えっ、と…?』
聞いてないですよ、硝子さん、傑さん。
一体何吹き込んだんですか。
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らいらっく(プロフ) - きのこ姫さん» そう言ってもらえてとっても嬉しいです😭続き頑張って書こうって気持ちになれますありがとうございます!🫶 (3月12日 12時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
らいらっく(プロフ) - 名無し37619号さん» 嬉しいですありがとうございます!!文字数制限に阻まれながらも頑張っております🥹 (3月12日 11時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
らいらっく(プロフ) - ちむさん» ありがとうございます!!そう言ってくださるととてもやる気になれます😭😭 (3月12日 11時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
らいらっく(プロフ) - みょんさん» あわわありがとうございますとっても嬉しいです😭私も早く夢主ちゃんの秘密バラしたいです…🥺更新頑張ります!! (3月12日 11時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
きのこ姫(プロフ) - すごい!面白かったです!はやく続きがみたいです。 (1月4日 13時) (レス) @page35 id: 37e234dc71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らいらっく | 作成日時:2020年12月7日 22時