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私は、今でもあの日のことをよく覚えている。





彼を初めて見た時、この世のものとは思えないほど、美しいと思った。





純粋で、空に浮かぶ雲のような、真っ白い髪



太陽の光を通した白髪は、きらきらと光ってまるで絹のようだった。



彼の横顔は子供とは思えないほど整っていて、すらりと鼻が高いのがよくわかった。



瞬きする度に伏せられるその長い睫毛は、髪と同様真っ白。





何よりも、その真っ白に包まれた''蒼''に釘付けになっていた








まるで青空の一部分を切り取って、閉じ込めたかのような……。






…いや、


彼の瞳の中に、私の知らない世界があるんじゃないかと思った。



あの人は、本当に私と同じ人間なのだろうか。この世の美しいものを全部彼に詰め込んでいるよう。

童話に出てくる、妖精さんみたいだと思った。









ばちり、





きっと私は、彼に見とれていた。
だからぼうっと見つめ続けるわたしに気づいたのか、彼がこちらを向いた。

彼と目が合った瞬間、その瞳の中に存在する空に、吸い込まれるような感覚を覚えた。







「あの方が、お前の婚約者(許嫁)だ」





私の隣で、父が小さく呟いた。

彼からそっと目線を離し父の表情を見るが、私と同じように父も彼に釘付けになっていた。


そうだろうと思った。だって、あんな綺麗な人、いるなんて思わない。妖精さんみたいなんだもの。



そんな彼のことを、父はこう呼んだ。



こんやくしゃ、いいなづけ、と。










……彼が…?私の?





「ほら、さっさと挨拶しろ」



『……紅月(こうづき)、Aと申します』




「……五条悟、」







五条、悟…様。




こんなにも凄い人と、私は婚約するんだ。



不安、焦り、緊張、湧き上がるように出てくる感情。





こんな私が、彼の隣に立てるのだろうか。







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その時の私は気づいていなかった

いや、きっと気づかない振りをしていたんだ。







私と彼は____違う。







彼につり合うことなんて、出来ないと。









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らいらっく(プロフ) - きのこ姫さん» そう言ってもらえてとっても嬉しいです😭続き頑張って書こうって気持ちになれますありがとうございます!🫶 (3月12日 12時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
らいらっく(プロフ) - 名無し37619号さん» 嬉しいですありがとうございます!!文字数制限に阻まれながらも頑張っております🥹 (3月12日 11時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
らいらっく(プロフ) - ちむさん» ありがとうございます!!そう言ってくださるととてもやる気になれます😭😭 (3月12日 11時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
らいらっく(プロフ) - みょんさん» あわわありがとうございますとっても嬉しいです😭私も早く夢主ちゃんの秘密バラしたいです…🥺更新頑張ります!! (3月12日 11時) (レス) id: 794256331a (このIDを非表示/違反報告)
きのこ姫(プロフ) - すごい!面白かったです!はやく続きがみたいです。 (1月4日 13時) (レス) @page35 id: 37e234dc71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らいらっく | 作成日時:2020年12月7日 22時

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