兄が過保護すぎる【北信介】

1話 ページ1

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春＿＿





『あぁぁお兄ちゃん！緊張する！どないしよ！』



「大丈夫や、そんな緊張することない」



緊張を隠しきれず家の廊下をうろうろしてしまう


そんな私を見た兄は、柔らかい口調で私を宥める




私は今日から、稲荷崎高校の生徒になる


午後から行われる入学式に出るため、私は緊張していたのだ




「なんかあった時は兄ちゃんのところ来ればええやろ？」


『流石にそれは無理！！1人で3年生の所なんか容易くいけん！』


「はは、そうかそうか」



そう言って信ちゃんは私の頭をポンポンとなでる


そんな兄の行動にムッとしてしまう





『私！もう高校生！子供じゃない！』


「そうかそうか、」


『もう！！』




私は兄のことが大好きだ。

もし他人からお兄ちゃんのこと好き？？なんて言われてもきっと堂々とそう言える

こんなにいい兄をもって幸せだとは思う、思うんだけど…








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「…告白されたらいうんやで？変な男かも知れへん、俺がちゃんと確かめたる」






超がつくほど、過保護です。






そのせいで私、彼氏できたことないです。






＿＿




『いってきます！』

「いってきます」



「いってらっしゃい、」




おばあちゃんが笑顔で見送ってくれる中、私達は家を出た






2人ならんで学校へと向かう





『はぁぁぁ今日から私も高校生…！信ちゃんとも毎日一緒に登下校できる！』



たった1年間だけだけど、信ちゃんと一緒に登下校できるのだ



「けど兄ちゃん部活の朝練とかあるで？部活は遅くまでやる」


『だから言ったやん！バレー部のマネージャーやるって！私は生半端な気持ちではやったりせぇへんもん！』




私はずっと前から言ってた、マネージャーやるって、中学は女バレ入っとったし問題ないと思う



「…いや、それはわかっとる、A自体の問題じゃないねん、あいつらが…」


『…あいつら…？』


「いや、なんもない、」


『なんもあるでしょそれ！』




兄はいつもこの話をすると曖昧な返事しかしないのだ




私がマネージャーをやるのが嫌っていうことじゃないのはわかってる、私自体は問題ないって言うもん




……じゃあ、なんで…？






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