24 ページ24
着替えを終え、私達は教室に戻った。
ガラッと教室の戸を開け、中へ入り、自分の席に着くと、女子たちから視線を向けられた。
男子たちも、そんな私たちの不穏な空気を察したのか、なんだなんだ、と騒いでいた。
大丈夫?と、私の方を向く、しのぶちゃんと蜜璃ちゃん。
大丈夫だよ、と、答えようとしたその時。
杏「席に着け!授業を始めるぞ!」
そう言い、教室に入ってきた煉獄先生。
内山さんがクルッと私達の方を向き、何やら不敵な笑みを浮かべた。
内「煉獄先生!」
前を向き、内山さんが手を挙げた。
杏「内山少女、どうかしたのか?」
内「先生って、おなかに痣のある女性ってどう思います?」
痣?と、煉獄先生が首をかしげる。
蜜「ちょっと」
待ちなさい!と、蜜璃ちゃんが言う前に内山さんは続けた。
内「私、見ちゃったんですよねえ。ね?焔さん?」
私の方を笑みを浮かべながら、内山さんが私の方を見る。
他のクラスメイトも、なんだなんだ?と私の方へ視線を向ける。
内「さっき体育の授業が終わって、着替えをしていた時に、私達、たまたま、焔さんのおなかに気持ち悪い痣があるのをみちゃったんですよお」
ねー?と、内山さんが、さっき、彼女と共に私に詰め寄ってきた女の子に問いかける。
内「しかもそれ、おなかだけじゃなくて、背中にもあるんですよお!まるで何かが焔さんのおなかを貫いたみたいな?」
やばくないですかあ?!と、内山さん達が、ケタケタと笑う。
「は?」
「まじ?」
「やばくね?」
先ほどの女子たちの反応と同様に、男子たちがザワザワと騒ぎだす。
ふと、煉獄先生の方へ視線を向けると、先生は額に皺をよせ、俯いていた。
ガタンッと私は、席から立ち上がり、教室から勢いよく飛び出した。
後ろから、しのぶちゃん、蜜璃ちゃん、煉獄先生が私の名を呼ぶ声が聞こえた。
廊下を走りながら、ポタポタと涙がこぼれた。
別に、教室中の笑い者になろうが、罵られようが、そんなことはどうでも良かった。
ただ、なぜか、煉獄先生に内山さん同様、気持ち悪い、醜い、と思われるのがこの上なく嫌だった。
320人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りりむ(プロフ) - みんみさん» みんみさん、コメントありがとうございます!ついに煉獄さんが300億の男となりましたね!そんな煉獄さんの勢いに負けず、私もこの作品を素晴らしいものにできるように頑張ります!最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします! (2020年12月14日 16時) (レス) id: b70c779254 (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 初めまして^ - ^いつも楽しみに見させてもらってます!切なくて尊いお話に感動しています!!無理せずに頑張ってください♪ (2020年12月6日 21時) (レス) id: 51bdc8dd02 (このIDを非表示/違反報告)
りりむ(プロフ) - 菫さん» 菫さん、コメントありがとうございます!この作品も、読者の皆様に感動とキュンキュンを与えられるような作品にしたいと思います!最後までお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします! (2020年12月4日 12時) (レス) id: b70c779254 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - いつも楽しみにしてます!頑張って下さい(^^) (2020年12月2日 13時) (レス) id: 8bdaaad09a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りりむ | 作成日時:2020年12月2日 13時