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15 杏寿郎前世 ページ15

Aと初めて出会ったのは、俺が七つの時だった。

早朝、カラカラッと玄関が開く音で俺は目を覚ました。

父上だ。

父上が任務から帰ってきた。

ガバッと布団から飛び出し父上の元へ駆け寄る。

杏「父上!おかえりな。。。。。さ。。。。。」

俺は言葉を詰まらせた。

任務から帰ってきた父の背中から、おずおずと見知らぬ少女が顔を出した。

父上が彼女を玄関に下ろす。

槇「息子の杏寿郎だ」

父上のその言葉に彼女はペコリと頭を下げた。

『。。。。。焔Aです。。。今日からこちらでお世話になります。。。何卒宜しくお願いします』

しっかりした子だなと思った。

俺と同い年だろうか?

彼女のしぐさや、言葉選びなどから、彼女の生い立ち等が、なんとなく理解できた。

だが、同時にどこか悲しげな表情浮かべた彼女に、俺は子供ながら、ただ事ではない何かが起きたのだと、理解できた。

父上とAと共に、居間に行くと母上がいた。

瑠「おかえりなさいませ。鎹烏からあなたからの伝言を受けました。その子が。。。」

母上がAに視線を向ける。

瑠「こちらへ」

母上がAの方へ腕を伸ばす。

Aは目を見開き、一瞬戸惑いを見せたが、母上の方へ歩み寄った。

ギュッと母上がAのことを抱きしめる。

瑠「。。。。。さぞ、辛かったことでしょう。あなたの心の傷が癒えるには、まだ少し時間がかかるでしょう。でも、何時だって、あなたの両親はあなたのことを想っています。あなたの幸せを祈っています。そのことを忘れなきように。。。。。今日から私たちは家族同然です。辛い時、苦しい時は、何でも遠慮なく言って良いですからね」

『。。。。。ふ、うわあああああああん!!!』

母上の腕の中で、Aが涙を流す。

なんとなく、彼女の身に何が起きたのか、理解できた。

俺はギュッと拳を握った。

もう、彼女がこれ以上、泣かずに済むよう、俺が彼女のことを守らねば。

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りりむ(プロフ) - みんみさん» みんみさん、コメントありがとうございます!ついに煉獄さんが300億の男となりましたね!そんな煉獄さんの勢いに負けず、私もこの作品を素晴らしいものにできるように頑張ります!最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします! (2020年12月14日 16時) (レス) id: b70c779254 (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 初めまして^ - ^いつも楽しみに見させてもらってます!切なくて尊いお話に感動しています!!無理せずに頑張ってください♪ (2020年12月6日 21時) (レス) id: 51bdc8dd02 (このIDを非表示/違反報告)
りりむ(プロフ) - 菫さん» 菫さん、コメントありがとうございます!この作品も、読者の皆様に感動とキュンキュンを与えられるような作品にしたいと思います!最後までお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします! (2020年12月4日 12時) (レス) id: b70c779254 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いつも楽しみにしてます!頑張って下さい(^^) (2020年12月2日 13時) (レス) id: 8bdaaad09a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りりむ | 作成日時:2020年12月2日 13時

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