12 前世 ページ12
『お父さん。。。？お母さん。。。？』
丑三つ時。
噎せ返る血の匂いで、私は目を覚ました。
布団から起き、両親を探そうと、一歩足を踏み出した瞬間。
ピチャンと、生暖かい液体が、足に触れる。
前を向くと、そこには、自分の家ではないのでは？と思わせるほど、血があちこちに飛び散り、変わり果てた我が家の姿があった。
目の前に広がる血の海。
その中で、お互い抱き合うようにして、倒れている両親。
まだ五つになったばかりの私には、目の前の状況を理解することなど、到底不可能だった。
私は、血だまりの中を歩き、両親の元へ歩みを進める。
ギュッと両親の手を握っても、あの暖かく優しい手は、そこには、なかった。
ひんやりと冷たく、生気の無い両親の手。
ポロッと涙が零れ落ちた、その時。
グッと両親が体を起こした。
『お父さん！お母さん！』
生き返ったのだと、子供ながらに思った。
両親の胸に飛び込もうとしたその時。
『。。。。。っ！ガハっ！』
バンッという衝撃音と共に、私は父によって、箪笥の方へ投げ飛ばされた。
ゲホッゲホっと咳き込む私。
何が起きたのか分からず、私は両親の方に目を向けた。
そこにはいつもの両親ではなく、頭から角の様な物を生やし、私のことを見るや否や、ボタボタと大量の涎を垂らす、変わり果てた両親がいた。
父母「「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”！！！」」
耳をつんざくような叫び声と共に、両親が私を目掛け、瞬時に距離を詰める。
殺される。
ギュッと身構えたその時。
？「炎の呼吸、̪肆の型、盛炎のうねり！」
真っ赤に燃え上がる炎が私の目の前に現れたと同時に、両親の首が宙を舞った。
？「大丈夫か？！」
私の元へ駆け寄る男性。
大丈夫だ、と言おうとしたその時。
私の視界に、灰になって消えていく両親の姿が映った。
『お父さん！お母さん！』
必死に2人に手を伸ばしたが、両親は瞬く間に、跡形もなく消えた。
『。。。。。っふ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”！！！』
大粒の涙が溢れ、声にならない叫び声が、家中に響き渡った。
？「。。。。。すまない。。。君の両親だったとは。。。辛い所を見せた」
そう言い、私のことをギュッと抱きしめてくれる男性。
『お父さん！お母さん！』
どんなに泣こうとも、どんなに叫ぼうと、もう両親には届かない。
5つの私には、その現実は、あまりにも残酷だった。
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りりむ(プロフ) - みんみさん» みんみさん、コメントありがとうございます！ついに煉獄さんが300億の男となりましたね！そんな煉獄さんの勢いに負けず、私もこの作品を素晴らしいものにできるように頑張ります！最後までお付き合いのほど、よろしくお願いいたします！ (2020年12月14日 16時) (
レス) id: b70c779254 (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - 初めまして^ - ^いつも楽しみに見させてもらってます！切なくて尊いお話に感動しています！！無理せずに頑張ってください♪ (2020年12月6日 21時) (レス) id: 51bdc8dd02 (このIDを非表示/違反報告)
りりむ(プロフ) - 菫さん» 菫さん、コメントありがとうございます！この作品も、読者の皆様に感動とキュンキュンを与えられるような作品にしたいと思います！最後までお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします！ (2020年12月4日 12時) (レス) id: b70c779254 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - いつも楽しみにしてます！頑張って下さい(^^) (2020年12月2日 13時) (レス) id: 8bdaaad09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりむ | 作成日時：2020年12月2日 13時
