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「特に貴方、難しい魔法薬の完成に一役買ってるらしいじゃない？魔力を注入したのはバディだと聞いたけれど」
「ああ」
クルーウェル先生に褒められたときの話だ。
エースと一緒に、薬を完成させた。
30分だけ声色を変える薬。確かに調合をしたのはわたしが主だったが。
「1年の初期でそれだけできる貴方には伸びしろが見える。ウチは魔法薬学が得意な生徒が多いし、アタシは寮長……寮長は”最も毒薬作りが上手い生徒”がなるの。わかるかしら」
「毒薬を作らされる……？」
「違う！貴方の才能を伸ばせるって言ってるのよ」
はあ、と様子を伺うと、ヴィル先輩は至って真剣な顔で。
さらに、と続ける。慌ててページをめくる。
説明は続く。
魔法薬学に特化した生徒が多いから切磋琢磨できると。
掲げている奮励、の精神はわたしにもっとも当てはまる、と。
美を重んじている故に身なりに関して相応の覚悟はしてもらうということ。
そして更に。
「……そんなわけだから、寮内で……毒を盛る生徒も、残念ながらいるの。腕前試しに、ね」
少し呆れたように、ヴィル先輩は言った。
「アタシたち……3年生でも、出来るのは簡単な外傷の手当くらい。体の中に入った毒をなんとかできる人はいない。先生を呼びに走ってる間に……なんてことも、過去にはあったらしいわ。
解毒薬も常備されてるけど、すべての毒薬にきく解毒薬なんてないから」
アタシが寮長になる前の話だけれど、とヴィル先輩は呟いた。
「……わかるわね？貴方は白魔法の才がある。……寮にいてくれれば、そんな事故も……人の命を失わずに済むわ。
他寮ではこんな心配、滅多にないだろうけど。ウチでは日常的なの。
……貴方の才能がウチには必要なの。他に取られる前に、貴方を引き抜くことに決めたのよ」
じ、とその青い瞳に見つめられる。
……真剣そのものだ。
……必要、と言われて。
何か、どこか。ドキドキと、喜びを感じている自分がいる。
反面、後ろめたさを感じている自分も。
それに、とヴィル先輩は。
「その寮服、ディアソムニアより似合ってるわよ？」
最後に意地悪そうに笑った。
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リュウ(プロフ) - レンリさん» 読んで下さりありがとうございます！励みになります……！ (2020年9月2日 20時) (
レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 心が、ギュッと絞め付けられました。美しいお話だと思います。切なくて、美しいお話だとお (2020年9月2日 17時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 瑠李さん» ふふ、いつもありがとうございます笑 マイペースに頑張っていきますのでお楽しみいただければ幸いです♪ (2020年8月30日 3時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - 初コメ失礼します。いつも楽しく読んでいます。私はリリア推しなので嬉しいです笑これからも楽しく読み続けます！更新待っています笑頑張ってください！応援してます。 (2020年8月30日 1時) (レス) id: 39848ca80e (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - マザーグースさん» ご指摘ありがとうございます。ルークは名前呼びと愛称呼びを使い分ける人間ですので、場面場面でルークの意図や無意識などを自己解釈で書いております。お楽しみいただければ幸いです。 (2020年8月29日 21時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年8月23日 3時
