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結局部活終わりに、わたし、シルバー先輩、セベクの3人で寮へ帰った。
今日は馬の世話を一通り教わり、掃除をしたり餌やりをしたり。
馬術といえば乗りこなすだけかと思ったが、その前に馬と信頼関係を築けと言われた。
確かに、信頼してないやつなんて、背に乗せたくはないよな？
「それにしても、Aは……細いのによく耐えたな、結構部活はきついだろう？でもよく働いていた」
シルバー先輩は口元に手を当てて言う。わたしは、ふ、と笑って言った。
「スラムで餌を……いや、食事をとるのに奔走していたんだ。体力には自信がある」
「ほう、その細い体に似合わぬ強い精神力をしているんだな、人間のくせに！」
「……いちいち言うが、セベクは人間ではないのか？」
「当然だ。……茨の谷には人間は少ないからな」
「そうなのか……それならシルバー先輩……は」
「……俺は人間なんだ。リリア様に御恩があって、護衛をしている」
「……そうか」
「……リリア先輩に言われているから、口うるさく言うが……そうですか、だ、A」
「……そうですか」
よし、とシルバー先輩は微笑み、うむ、とセベクも満足気に頷いた。
「僕達でお前の汚名を返上させて見せよう！！！！愚かな人間どもに………いや、生徒全員にな！！！！！！そうリリア様に仰せつかっている」
「……ありがとう」
リリアが……いや、リリア先輩が。
……スラムの掟だ。恩は……大切にする。
ここまでわたしに……わたしなんかに、目をかけてくれているリリア先輩の顔に、泥など塗らない。
「……直に、ここに相応しくなってみせる」
わたしが言うと、2人はそろって笑った。
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年8月7日 13時
