【twst】巡る刻の中で3度目の①【リリア夢】 (ページ35)

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「うまいか？」

もぐもぐもぐもぐ。

「うまいんだな？」

もぐもぐもぐもぐ。

「……お前、めっちゃ食うじゃん！？」

「……なんだ、エースはそんなもんでいいのか？次いつ食えるかわからないんだぞ」

「だーかーら！学園にいる間は食べ物の心配とかしなくていーの！」

ハンバーガーを3つ。オススメパスタ大盛り。チャーハンに餃子を大盛り。ラーメン。その他、見たことの無い料理を5つほど……

……空にした。

「でも、いまとっても……幸せだ」

「そら顔と腹見ればわかるっつーの。普段あんなぶすくれてんのに、今の顔！マジでお前っておもしれーな。っつか、笑うとほんっと、女子みてえ。そいやわたし、って言うしな、まさかホントに男子校に紛れ込んだ女子……だったりしてえ？なーんて」

なーんてな、と言ってコーラを飲むエースの隣で、わたしは懸命に鼓動を抑えていた。

バレてはいけない。落ち着け。慌てると、怪しくなる。

「……わたしはれっきとした男だぞ、エース。……いまに、お前の身長を抜く男になってやる」

「ほー？んじゃ楽しみにしとくわ、俺より背の高いA！んでも！俺もまだまだ伸びるつもりだかんな？」

意地悪そうな顔で笑うエースに、わたしも同じ表情を返した。
……と、同時に、頭の中で、ほんの少し思う。

……きっと察しのいいエースには、そのうちバレてしまうのだろう、わたしが女、だと。

そうなれば。
もう、ダチ、ではいられないのかもしれない。

よりいっそう、言動に気をつけなくては……と、気を引き締めた。