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翌朝、ロッカーに何枚も張り紙が貼られていた。
「……んだよこれ、趣味悪！」
怒るエースの横で、わたしは貼り紙をじっと見ていた。
何か書いてある。
必死に昨日の……読みの練習の記憶を辿る。
でき……そこない？つら、よごし？
……つまりは、わたしのことを罵倒している言葉なわけで。
「んなもん、パパっと剥いでまとめてぐちゃぐちゃーってな！丸めてポイだ！……気にすんなよな？A」
「心配せずともバカにされるのは慣れてる。気になんかしない」
「……その、マジで気にしてないっぽいとこ、ほんっと俺とは生きてき方がちげーんだなってカンジ？……ったく、心配するだけ無駄かよ」
「……だが。ありがとう、エース。好意は受け取っておく」
「はー。まあ、俺も？お前のこと擁護してたらほら……ちょーっと浮いちまったしさ？責任取って一緒にいろよーってね？……ダチ、だかんな？」
「ダチ、か。初めての響きだ」
その日、他にも嫌がらせはあったが……特に心には響かず。
「……昼休みだけど、ラギー先輩とこいくわけ？」
「ああ……でもラギにいも忙しいかもしれないしな……」
「……んじゃー、学食行かね？一緒に。俺もさ、兄貴が通ってたから話には聞いてんだけど、めちゃくちゃウマいらしーんだよね」
「学食！」
そうか。
わざわざ餌を取らなくても飯が食えるのは、寮だけではないのか。
エースは驚いた顔で言う。
「……んだよ、急に飛びついて。……ま！食える時に食って、早く体鍛えろよな。んな女子みてえなヒョロヒョロじゃ、部活でバテちまうぞ」
「ああ、うまい餌……沢山食べれるんだな……」
「……その、餌、って呼び方やめろよ。ご飯。メシ。食事。どれかにしよーぜ？ディアソムニア的には、食事、だと思うけど？」
「……じゃあ、食事、にする」
そういうと、エースは、はは、と笑ってじゃあ行こうぜ、とわたしを引っ張っていく。
どんな美味しいものがあるのか楽しみで、わたしはドキドキしていた。
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年8月7日 13時
