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「変わらぬの……」
そ、と、寝ている彼女の頬に触れると。
柔らかく、あたたかな感触が手を伝う。
「……もう、出会わぬと思っておったのに。……もう、思い出だけの存在だと、思っておったのに」
静かで暗く、まだ物も少ない簡素な部屋の中。
彼女の寝息だけが、すうすうと聞こえてくる。
……なあ、なんの夢を見ておるのじゃ？
「……まさか、学園で巡り会う、とはな」
……運命とは、どこまで悪戯好きなのか。
はたまた、ただ残酷なだけなのか。
顔や姿が似ているか、と言われれば、面影がないこともない、という程度。
言動はといえば、何も教わらずただ必死に生きてきただけの子で、あまり似ている訳では無い。
魔法は使ったことがない、という。
……けれど。
「わかるよ。お主の……お前の魂は」
紛れなく。わしの。
いや。
俺の大切な恋人であったことが。
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年8月7日 13時
