【twst】巡る刻の中で3度目の①【リリア夢】 (ページ30)

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わたしは髪の長い女性で、貧しい村の暮らしだった。水をくみに川へと行く途中、傷だらけで倒れている、軍服姿の小柄な青年を見つけた。ピンクと黒のまだらな髪をしているのが特徴的だった。

声をかけても、返事はない。
脈をはかる。
……気を失っているだけのようだ。

わたしはバケツふたつにその小柄な青年を抱え、村へと戻った。

それからわたしの家のベッドに青年を寝かせ、できるだけ傷や血を拭いて、頭に濡れたタオルを乗せた。

傷だらけ、血だらけだった。……戦争中なのだから、珍しくもない。きっと敵兵からやっと逃げてきたのだろう。

……こんな村に、医者はいない。
わたしに、医療の知識はない。
けれど。

祈ることだけは、できる。

治癒魔法、とは治癒を促進させるだけの魔法で、傷を全て治すことは出来ない。本人の治癒能力を高めるだけなのだから、本人が弱っているのでは、意味などないのかもしれない。

それでも。

わたしは、祈るように魔力を彼に注いだ。
やがて、う…、と、苦しそうなうめき声が聞こえた。