【twst】巡る刻の中で3度目の①【リリア夢】 (ページ29)

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「これをお主にやろうとおもってな？」

出された茶を飲んでいると、リリア先輩は部屋の片隅から1枚のボードをとりだした。見ると……わたしでも読める文字もあるものだ。

「これで、今日からは一先ず読みの練習をはじめてみらんか。授業で最初困るのは読みじゃろう？まずは単語から、そして少し応用して文章へ。

……やりようとお主の熱量によっては、1週間でも巻き返せるやもしれんぞ」

不遇なレッテルを貼られたようじゃからのう、とリリア先輩はぽつりと言った。
読み、ができるようになれば……わたしもいろんな魔法が使えるようになるだろうか？

「やる」

「よろしい。じゃが……やります、じゃ。言葉の矯正は常にしていくぞ？特に、馬術部のリドルは上下関係には厳しいからの」

「？リリアにはまだ、その話はしてないはずじゃ……」

「くふふ、風が教えてくれたよ。馬術部にはシルバーもおるし、安心できるな。……楽しい時間を過ごすとよい。あと……」

リリアはわたしの顔を覗き込み、その妖しい瞳でわたしを見つめ、笑う。

「リリア先輩、じゃよ、A」

「ああ、わすれていた」

「忘れていました、じゃ」

くすくすと笑いながら訂正し続けるリリア先輩に、言葉は難しいな、と思っていた。
……けれど、どうしてなのだろう。

いくら注意されても、訂正されても。

リリアのことは、リリアと呼んでしまうのだ……体が、勝手に。

それからしばらく、リリア先輩に字の読みを教わってから、わたしはあてがわれた自室で寝た。