【twst】巡る刻の中で3度目の①【リリア夢】 (ページ25)

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動物は嫌いではない。
馬たちはどれも綺麗な毛並みをしていて、大人しく、よく可愛がられ、しつけられていることが分かる。

「うわ、馬がいる……」

「馬舎だからね。さて、どの子を選ぶ？キミたちに任せてみよう。心を通わせられそうな子を選ぶんだ」

「心を、通わせる？」

「そうだよ。馬術とは、騎手の力のみで決まるものでは無い。馬と、騎手の信頼関係が大切なんだ」

「そんなもんなのか」

へえ、と思いながら奥へ入ろうとすると、ぐい、と腕を掴まれる。
見れば、不機嫌そうなリドルがこちらを見つめており。

「……キミ、先輩には敬語を使うものだよ。マレウス先輩やリリア先輩のみならず……この学園で平和にいきたいなら、他寮の生徒を見くびらないことだ」

……ああ。そうか。
わたしが敬語をつかえていないことに、気が触ったわけか。
と、後ろからシルバー先輩が「リドル」と呼び、わたしの手を離させた。

「申し訳ない。Aは茨の谷出身ではないんだ。夕焼けの草原のスラムから来たばかりで、敬語どころか識字もできない。俺たちでこれから教えていくところだ、容赦してやってくれ」

リドルはそれを聞いて目を丸くし、それから……再度わたしを見、「だったら」と言い直す。

「先程のは、そうなのですか、と返すべきだ」

「……そうか」

「そうですか、だよ」

「そう、ですか」

「……よろしい」

そう言って、リドルは微笑んだ。