【twst】巡る刻の中で3度目の①【リリア夢】 (ページ17)

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だが、この広い学園で、そう簡単に人が見つかるはずもなく。
どん、とぶつかったのは、とても背の高い、左右色違いの瞳をした男だった。

「なーに、お前。……1年？ぶつかっといて謝りもしないワケ？」

「あ、悪い」

「は？センパイに敬語も使えないワケー？絞めっぞ」

……気の短い男だな、と思いながらも、トラブルに巻き込まれてしまったことに焦っていた。
慣れていない環境でのケンカは不利だ。

だが。
気の利いた言葉なんて、上手く出てこない。
何より、わたしがしっかりと見上げなければならない身長の男が、わたしをしっかりと覗き込み、睨みつけているのだから、萎縮してしまう。

……と。

「フロイド、おやめなさい。1年生が怖がっているでしょう」

「あー？ジェイドぉ」

ちら、と目で見ると……瓜二つの顔だが、より"含みのある"笑顔の男がそこにいた。
双子、だろうか。

ジェイドと呼ばれた男はわたしに改めて微笑みかけると、フロイドと呼んだ男を引き剥がしてくれた。

「さて、制服も真新しい、慣れていないご様子。1年生、ですね」

「そう、だ」

「地図を片手に……2年生のフロアには、何をしに？」

「ああ、その、人探しをしていて」

「人探し、ですか。僕達にわかるでしょうか……一体、どなたをお探しで？」

フロイドがご迷惑おかけしましたし、お連れしますよ、とジェイドが笑う。
わたしは頷いて、答える。

「ラギー、という男なのだが」