【twst】巡る刻の中で3度目の①【リリア夢】 (ページ11)

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「……学園長から、話は聞いた」

奥の部屋は、リリアの部屋のようだ。ものが散らかりまくっているが、スラム育ちのわたしには、少し心地よい。

「お主、女性、なのじゃな」

「うん」

「……そしてスラム出身、と。……字は読めるか？」

「ほとんど読めない」

「……敬語は使えるか？」

「いや。使う必要も無いからな」

「ふむふむ、そうかそうか……」

リリアは少し考えた後、わたしにベッドに腰かけるように手でさし、自分は小さなソファに座った。

「学園長からの条件は聞いておるか？」

「ああ。……男子生徒として、の入学、という話だろう」

これは棺桶に入る直前に言われた、約束事だ。
”わたしが女性であることは、学生にはバレてはいけない”
職員は把握しているらしいから、サポートはしてくれるのだそうだが。

「……一応、寮長たるマレウスと副寮長たるわしには、その話は通っておる」

「……ならリリアは、わたしが女なのを知ってるんだな」

「そういうことじゃ。……着替える場所には気をつけておくれ」

「心配せずとも、胸も何も無いぞ。うまく食えてないからな」

「そういう問題では無いのじゃがな……」

リリアは、はあ、とため息をついてから……そして、き、と表情を変えた。
鋭く、刺すような目。