【H×H】暗殺一家の長男、少女を拾う【イルミ】 (ページ3)

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第２夜ページ3

いつもと変わらない日常、その日の夜、何やら一階が騒がしかった。
使用人に尋ねてみると、どうやら家でパーティーが開かれているらしい。
でもそれも、私には関係ないこと。
そう思いながらいつものように、就寝まで本を読んでいた。

数時間が経ち、そろそろ眠りに着こうと思った時だった。
下から、ガラスの割れる音や短い悲鳴が聞こえてきた。
何事かと、使用人を呼んでも返事はなく、私はそっと扉を開けた。
ついさっきの出来事のはずなのに、家の中は静かだった。
「お、お父さん？」
小さな声で呼ぶも響くのは私の声だけ。
恐る恐る階段を降りて、ホールの中を隙間から覗くと、知らない人が立っていた。
後姿しか見えないけど、綺麗な長髪だった。
その足元には人が何人も横たわっていて、その中にお父さんを見つけた私は思わず小さく悲鳴を上げた。
それと同時、その長髪の人物がこちらを向いた。
全身が警報を鳴らす。
逃げろ、と言われてるような気がして私は咄嗟に扉を閉めて玄関へと向かうが、基本的に部屋でしか過ごさない私は、焦りもあってか足を引っ掛けて転んでしまった。

「まだ人いたんだ」
足音も何も聞こえなかったのに、真後ろから静かにそういう声がした。
ゆっくり振り返ると、さっきの人が私を見下ろしていた。
手には鋭い切っ先の針を持って、感情のない目で私を見ていた。
「こ、殺さないで…」
恐怖から唯一出た言葉はそれだった。
その声も酷くか細く震えていた。
それでも、私のその訴えに答えるとことなくただじっと私を見ていた。
動いたら終わる。泣いたら終わる。
頭の中でぐるぐるとそれだけが回ってた。
「逃げないの？」
少し経って、その人は首を傾げて聞いてきた。
逃げたところで筋力の落ちてる私では助かることは不可能。
「できない…」
なにを考えてるかわからない目、それがなんだか怖くて俯いてしまう。
「ふーん」
すると彼は興味なさげにそう言って、私と目線を合わせるようにしゃがんで、私の髪を手に取って、何か言ったような気がした。
うまく聞き取れなかったが、聞き返すこともできず、下げてた目線をあげて顔を見る事しか出来なった。
「いいよ。殺さないであげる、その代わり…」

____俺と一緒に来てよ

そう言われた。