夜半、二十一週目。 ページ21
＿プルルルルルルル、プルルルルルルル
さっきは、電話に出て、この赤い世界に飛ばされた。
もしかしたら、こちらの世界であの電話に出て、元の商店街に戻れるのではないだろうか。
shp「出るべき、なんすかね…？」
zm「…ようわからん…けど、行くしかないやろ？」
振り返れば、いつの間にか後ろにいたムカデの胴体はいなくなっていた。
お互いの手を握って、歩きだす。
zm「…」
ゾムは背を向けた神社の方をチラリと見る。
何を見ているか分からないムカデの顔は、こちらを向いていた。
一体、何がしたいんだろう。
思わず、眉をひそめた。
道路を進めば、さっきとは別の公衆電話が見えた。
＿プルルルルルルル、プルルルルルルル
やはり、先ほどからなっているのはこの電話らしい。
カチャリ、と受話器を取り、また二人で耳を澄ませる。
何も、聞こえない。けれど、またくらくらと二人をめまいが襲った。
ふらつく足に何とか力を入れて、目をつぶる。
ふらつきが収まり、そっと目を開ける。
赤いフィルターがない、普通の世界。
shp「戻って、これた…」
zm「…みたいやな。」
街灯の下でうごめく影。赤い世界ではなかった光景で、今までと同じ光景。
いつの間にか息が止まっていたようで、深く息を吐く。
固く握っていた手が、少し緩…
手を、握っている？
バッと片手をあげて、握りこぶしを開ける。
サラリ、と指の隙間からこぼれる、白い粉。
それを少し舐めてみる。
…しょっぱい。
zm「塩…？」
なぜ塩を持っているのだろう？
zm「…塩、確か盛り塩が」
周りを見渡してみれば、お皿の上に乗った、白い砂、塩の少し崩れた山が。
自分の塩と合わせてみて、綺麗に小山を作る。
綺麗に、綺麗に。
zm「できた…」
その小山が完成すると、ふわ、と風が吹いてきた気がした。
まとわりつくような嫌な空気が、風によって吹き飛ばされていく。
shp「めっちゃきれいにやってますね。」
感心したような声が後ろから聞こえてくる。
せやろ！というつもりで振り返れば、彼の両手には＿
shp「まだいっぱいあるんで、探しましょう…」
塩が、たくさん。
思わず、二人でため息をついた。
続く (更新停止中)
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ミルクティーsサイズ(プロフ) - 凄い面白かったです!!最新頑張ってください!! (2019年8月17日 14時) (
レス) id: 758159dbb8 (このIDを非表示/違反報告)
star - めっちゃ面白いです！続きが気になります！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月5日 18時) (レス) id: 93c3e87d62 (このIDを非表示/違反報告)
使徒猫(プロフ) - 妖月 零さん» コメントありがとうございます！自己満足の作品ではあったのですが、好き、と思ってくださってよかったです。死ぬほどマイペースですが、ぜひこれからも閲覧してくださると嬉しいです！ (2019年7月23日 23時) (レス) id: 4fe6cd50a1 (このIDを非表示/違反報告)
妖月 零(プロフ) - 夜廻さっきまで見てましたwwwすごく好きなので、自分のペースで頑張ってください！ (2019年7月10日 1時) (レス) id: f64de88fda (このIDを非表示/違反報告)
白砂(プロフ) - 大丈夫ですよ！いろいろと大変だと思いますが更新頑張ってください！応援しています!! (2019年7月3日 21時) (レス) id: 30dece3efd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：使徒猫 | 作成日時：2019年3月4日 22時
