【ら運営】転生したら言葉通じなかったわ【gnki】

後悔の手助け ページ43

(gt視点)




舞い落ちる結晶に手を伸ばすAを見て、初めてこいつの前で魔法を使った時の事を思い出した。

ブランケット片手に追いかけてきて、凍りついた周辺をわくわくした表情で見渡してたっけ。




“「すごく綺麗！ …っと、そんなこと言ってる場合じゃなかった、大丈夫？ 寒くない？」”

“gt「お前人間だろ？ 怖くないの？」”

“「ぐちつぼさんは私の事氷漬けにしたいの？」”

“gt「そんなわけ…」”

“「じゃあ何も怖くないよ」”




別に俺は寒くないのに、ブランケットを肩に掛けられたのが強く印象に残っていた。

…A、めっちゃお喋りだったのにな。

今じゃ無言で感傷に浸ってるっていうのかな、こっちにはお構い無しだ。

白い息を吐くA。
寒いんだろうな、やっぱりこの魔法は使わない方が良かったか？



gt「お前の辛いこと、今でも分かってやれないんだな、俺は」



話したい。
忘れたままで良いだなんて、全部嘘だ。

嫌われるのが怖かった。
全部思い出して、普通のやつみたいに俺の魔法を怖がって去っていくAを見たくなかった。



gt｢だけどそれ以上にまた前みたいに、話したいんだよ
Aの声を、聞きたい……｣



このまま一生話せないのは嫌だ。
だけどAに怖がられるのも、御免だ。

俺はどうしたらいいんだろう。



gt「なんで、全部忘れちゃうんだよ」













(たすけてください)








突然、その声が聞こえた。
ばっと見上げれば、目を閉じて俺の手を握るA。

…なんだこれ、レウさんの魔法に似てる。

「たすけて」…？



今まで、1度だってAが俺達に助けを要求したことは無かった。

あの時だって、疑いを晴らすこともしないで1人で全部解決しようとして、それで、それで……















俺達は、何も知らないままAを殺そうとした。
















gt「ははっ……やっと、頼ってくれた」



吐き出した笑い声には安堵と罪悪感が詰まっていて、腹の底が重苦しい。
目を開けたA。



gt「なんでもするわ、お前のためなら」



Aが助けを求めてるなら、俺は力を貸す。
もう何も止めたりしない。

ここまで俺達を導いてくれたのはお前なんだから。






















ーーー現在の分岐ーーー

【思い出させたい】
らっだぁ みどりいろ あろえ “ばどきょー” “ぐちつぼ”

【忘れたままでいて欲しい】
レウクラウド たらこ

【成り行きに任せる】
コンタミ げんぴょん

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