2話目( 警察官 ) ページ6
「…中は思ったより綺麗なんだな」
「えぇ、一つ一つちゃんと手入れされています」
広々としたエントランスホール…だろうか？
隅々まで清掃が行き届いている空間に足を踏み入れる
ガチャっ
「は？」
「おや」
音がして咄嗟に後ろを振り向けば扉は閉ざされていた
可笑しいとでも言うように暗殺者の彼女が乱雑にドアノブを回すも音が鳴るだけで開かなかった
そんなに音を鳴らしてもいいのか？此処にいるであろう人物に気が付かれるだろうに
心の中で呆れながらも、クスッと笑みを浮かべながら暗殺者を見ている
「………あれ？
あ！新しいサバイバーさんなの！」
ほら、音に釣られて人がやってきた
顔色を変えたり色々と騒がしくしている暗殺者を見ては、これまた面白そうにニコニコと笑う
此方へと声をかけてきた彼女は笑みを浮かべながら私の方へと近寄ってきて
「初めましてなの！えっと………」
「あぁ、申し遅れました。イタチ・ニードと申します。隣の方が…」
「…高城 夏葉です」
「ニードさんに高城さんね！私はエマ・ウッズなの！
気軽にエマって呼んでほしいなの！」
輝かしい笑顔を向けてくる彼女、エマを見てはいかにも純粋そうな子だな…
と思い二つ返事で了承の言葉をかけた
「疲れてると思うけど…エマたちが開くパーティーに出席してほしいなの！」
「………」
「パーティー、ですか。そうですね…」
暗殺者がエマを目を合わせるとさりげなく私の後ろへと移動する
何故私の後ろに行くんだ、少しぐらい面と向き合って話せ
とにかく…適当に謝罪の言葉を言ってからの方がいいか
「すみません。彼女は初対面の方と話すのは苦手なので代わりに私が」
「そうなの？大丈夫なの！此処に住んでる人にも社交恐怖の人とか視線恐怖の人とかいるなの！」
駄目だこの子全然言う事聞いてくれない
遠回しに部屋に案内してくれって言いたかったのに強引に会話を終わらせたぞこの子
そのまま腕を引かれ早歩きで別の場所へと移動していく
いや痛いな？中々力が強いんだな？
「みんな！新しい人たちを連れてきたなの！」
バタンッと目の前の扉が勢いよく開かれたと同時にエマの声がその空間へと響く
同時に何か破裂するような音
火薬の匂い…と言っても、クラッカーだろう、こういうのは
「なっ！？」
「落ち着いてください。銃声じゃありませんよ」
根っからお嬢様の彼女にはわからないことだったかな？
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